004    摂津一宮   大阪市住吉区 
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住吉大社 

淀君が寄進した太鼓橋
 御祭神  
 第一本宮:底筒男命  全国に約2,300社ある住吉神社の総本社で、下関、博多とともに日本三大住吉の一社。毎年初詣の参拝者の数でも常にベスト6に入る。・・・・ちなみにベスト3は明治神宮、成田山新勝寺、川崎大師でいずれも人口の多い関東だ。御祭神は住吉三神(底筒男命・中筒男命・表筒男命)と息長足姫命=神功皇后だ。三神はそれぞれ本殿、拝殿を持つので境内には三つの本宮が一列に並んでいる。神功皇后の社殿、第四本宮は海に面した最前列に第三本宮と並んでいる。・・航空写真 

 住吉三神は住之江の津に祭られていたローカルな海の神様だったと考えられている。それぞれの名前には筒(ツツ)が付いている。それは津=港から出たものだろう。海の底、海の中、海の表面、それぞれの神様は、系図ではイザナギの命がそれぞれの場所で「みそぎ」をしたときに生まれたことになっている。ローカル神が、イザナギ系列に入ることによって、全国的な名声を得ることになったのだ。ちなみにイザナギが右目を洗ったときに生まれたのが天照大神だから、まあ住吉さんと天照大神は兄弟姉妹のようなものだ。  
 第ニ本宮:中筒男命
 第三本宮:表筒男命
 第四本宮:神功皇后
 

昔目の前は海だったが、今は電車が2つも!

一番手前は第四本宮:表筒男命を祭る。

第一本宮拝殿:底筒男命

第二本宮拝殿:中筒男命

第三本宮拝殿:表筒男命・・・正面に見える

第四本宮拝殿:神功皇后・・・第三本宮と横並び

第三本宮(向かって左)の後ろに第二、第一本宮が縦に並ぶ。その列から外れるが横並びの第四本宮。

住吉造:国宝:桧皮葺:妻入り

千木:外削ぎ  鰹魚木:奇数 → 男神

さすが大社だけあって、日本有数の豪華で立派な神社だ。末社摂社も数多い。どこもパワーでみなぎっているみたい。 

かっぽれの奉納額
左は線路を越えて海側の住吉公園にある芭蕉句碑

河内の枚岡神社の項で、9月9日の重陽の節句に芭蕉は暗峠を越えて、大阪に入った、と記した。

 9月13日に住吉大社を参詣し、「升の市」を楽しんだ。その後に句会を催す段取りになっていたが、芭蕉は体調が悪かったのだろう、句会を欠席した。欠席の口実に
「升買うて 分別かはる 月見かな」
の句を詠んだ。「升の市」で升を買ったら、家を思い出して月見よりも家でくつろぎたくなった。という苦しい言い訳だ。

 この一カ月後に芭蕉は亡くなった。


 住吉さんというのは不思議な神社だ。上に書いた祭神は、イザナギ男神が「みそぎ」をしたときに生まれた神さまである。その時に天照大神もスサノオ神も生まれているから、偉大な神様の兄弟のような神だ。海の神さまとされているので、港々には必ず祀られている。金毘羅さんも海の神だが、あちらはインド仏教の神さまだ。
 住吉の神が一番活躍するのは、神功皇后が三韓征伐をしたときに付き添った時だ。降参した新羅王の宮殿の前に住吉神社が作られて、約束を守るか監視した。

 神功皇后が日本に戻ってからは、住吉大神は住吉神社に祀られた。その際、三柱の神は海に向かって一列に並び、一番前の表筒男神の宮と並んで横に神功皇后の宮が作られている。国宝になっている社殿は4殿とも同じ作りだが、神功皇后の宮の千木だけが内削ぎ(横削ぎ)で女神を表している。

神功皇后は第15代応神天皇の母である。応神天皇は14代仲哀天皇の子ではなくて、住吉の大神と神功皇后の子ではないかとも噂があった。神話のころの話だから、何の証拠もないが、住吉大社の並列社殿を眺めていると、なるほどと納得するところもある。
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