091    筑後国一の宮   福岡県久留米市御井町1番地
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高良大社
ご祭神  総称 由緒 
  八幡大神 高良三所大神 応神天皇の御霊 
主祭神  高良玉垂命 神功皇后が招来
  住吉大神 金星とともに出現

  高良山は久留米市の東方にある312mの山である。その中腹に高良大社がある。久大線の久留米大学駅、御井駅の南方にそびえているが、急な斜面になっているので登るのはかなり大変である。急斜面の理由は久大線に沿った「水縄(みのう)断層」によって地層に食い違いがあるためである。

  急斜面の上りは、二の鳥居から石段になっており、多くの人は苦労をして上りおりした。幅広い石段には手すりがないので、年寄りは下り坂に苦労をしたかもしれない。いまは車の道がついており、真っ赤な三の鳥居下までは歩かないで登れる。三の鳥居からさらに石段は続くが、スロープカーという6人乗りのモノレールがあるので、楽に上り下りできる。

拝殿:三柱の神さまがおられる 本殿
一の鳥居:後ろは九州自動車道   二の鳥居から石段参道   三の鳥居から急な石段
巨大な片岩の石碑:山の鳥居脇 主祭神:高良玉垂宮
神門前の狛犬 立派なニワトリ:神の鳥なのか??
  私は御井駅から上ったので、山の鳥居前の駐車場でもうへとへと。
  スロープカーで上りおりした。松葉杖の女性がいたので一緒に降りましょう、と言ったら「リハビリ中ななので頑張っております」とのこと。余計なお世話をしてしまった。

  向かって左手にある狛犬は髪の毛の部分に彩色してあったようだ。赤い顔料が残っている。全身彩色してあったのだろうか。

 
 私は水縄断層をこの目で見たかったので、御井駅から登った。若宮八幡宮から見ると目の前に「竜の滝登り」のように桜並木がうねって山頂に向かっている。桜のシーズン久大線の車窓からも滝のように流れ落ちる白い桜の川を見ることができる。桜並木の下には400段階段という直線状の石段がある。この石段を苦労して登り三の鳥居にでた。

  近年ではこのコースを登るのは登山者ぐらいでお参りの人はいないようだが、桜の時期はおすすめコースだ。私は大満足で、神功皇后のパワーをいただいた気分になった。高良神社の祭神に神功皇后はいないが、高良の神というのは神功皇后だろうという思いに至った。
御井駅から400段階段コース 水縄(みのう)断層:横ずれ 
若宮王子神社  摂社:狛犬多数 
 いざ400階段へ:桜満開 400階段終わり:古宝殿跡 
古宝殿跡のお不動さん  石仏群は各所にあった 
 三の鳥居:駐車場から 筑後川の流れ:筑紫平野 

  九州には皇室ゆかりの神社がいくつかある。高良大社はその中でもかなり重要な神社で、九州総社とされていた。神社の案内には鎌倉時代の元寇の折には勅使が参向し、蒙古軍が敗走した後には「天下の天下たるは、高良の高良たるが故なり」という綸旨を賜ったとある。

  地形的にみると海からはそう遠くない、山に囲まれて守りには適している。大河(筑後川)に近く水運も利用でき、東西南北の交通の要衝である。などなどこの地が州の中心になるような、地政学的位置にあることがわかる。 ここからそう遠くない場所に「三輪」という地名がある。周辺には朝倉、・・・、など奈良の大和と似た地名がある。大和の地名はもともとはこの地方の名前に由来するという説もあるそうだ。今も東京には東久留米、東長崎など九州地名が引き継がれている。この地に来ると大和の発祥の地は九州だという説の方に軍配が上がりそうだ。

   そういえば神功皇后はヒミコに比定されるという説もあるそうだ。高良の神というのは神功皇后が招来した神だというが、その神はヒミコであった、などと想像を働かすことができる。 昔、筑後川沿いを走りながら考えた疑問に答えが少し見えたような気がする今回の旅であった。
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