房総の寺めぐり
神野寺・三石観音・誕生寺
 
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 例年は神社巡りだが、今年の初詣は房総の寺。我が家の宗旨は一応浄土真宗だが、私自身は「寺か神社か?」というよりも、明治以前の神仏習合の「神さま仏さま」という方があっているような気がしており、ことさら我が宗旨の寺に参るということはしていない。なんとなく三輪なのだから三輪神社、神社の方に親しみを感じているが、そんなことには拘泥していない。
 今回の一番の目標の寺は亀山ダムの上にある三石観音だったが、アクアラインから行く途中の鹿野山の神野寺に参る。ここは昔住職の飼っていた虎が逃げ出して大騒ぎになったことで知られる。その先には日本武尊の白鳥神社に詣でて、JR久留里線の終点、上総亀山駅に寄る。そこから三石観音に登った。この寺には高橋尚子の碑があった。それも驚いたが社殿の上に巨大な石が覆いかぶさっている。紀州熊野で見たごどびき神社(神倉神社)とおなじ感じだった。三石観音からは安房鴨川に降りて、海鮮市場で金目のお寿司を食べて次は清澄寺へ。
 でもここは何回も行っているので、日蓮さん誕生の誕生寺へ行く。お参りを済ませ、海岸の狭い道路を「おせんころがし」方面に進む。眼の下は断崖絶壁。最近高所恐怖症の身なので、気分が悪くなる。おまけにさっき食べ海鮮にあたったのか、吐き気がしてくる。
 こんかい三か所もいっぺんにお参りしたのがまずかったのか、ともかく体調不良。急いでアクアライン経由で帰宅。ノロウイルスかインフルエンザか??? 奥さまは完全に風邪症状。美声ががらがら声になってしまった。私は吐き気からお腹に、そして腰痛が最悪状態。お参りしてこんなになったのでは、神仏もないじゃないか。・・・・そんな悪口を言ったらさらに悪くなりそうなので・・・・・・  
鹿野山 神野寺 
(真言宗智山派・本尊は薬師如来とグンダリ明王
 本堂は、高さ21m・間口・奥行きともに10間の大堂。重層入母屋造り。建物全体は朱塗り。内陣は格天井で、一面に蓮の絵が描かれ、その中心には大厨子。外陣天井の天女は、狩野探信(探幽の長男)の筆。後扉の四天王(持国天・広目天・増長天・多聞天)は狩野元信の筆。内陣の大厨子の中には、本尊の薬師如来と軍荼利明王(共に高さ3.6m)の二尊がひとつの厨子に並列して安置されている。両ご本尊は秘仏、12年に一度寅年のみの開扉。軍荼利明王は手足に小蛇を巻きつけ、顔は忿怒の形相。

 
お正月にはしめ縄がある。狛犬も両側に! 鐘つき堂
ご神木かな?  立派な灯篭:水戸徳川家の寄進 
仁王門 六角堂
奥の院:飯綱宮殿・飯綱大権現は烏天狗・秘仏 天狗の大下駄:触ると足腰にご利益??
お寺だがしめ縄も狛犬もある。仁王門には大草鞋:足腰にご利益

 鹿野山(かのうざん)、私にとっては重要な山だ。房総で3番目に高い山()で、東京湾を隔てて実に展望がいい。
そのため日本列島の測量の基準になった一等三角点がある山なのだ。下にあるのは日本の三角点を作るために描かれた三角網だ。相模野基線で三角網の長さを決め、鹿野山の方位を決めれば、すべての三角の大きさ方角が決まる。日本の正確な地図作りはこの山を基準にしたのだから、仇やおろそかにはできない。現在はその役目を終え、国土地理院の地磁気観測所がおかれている。

神野寺で忘れてはならないもの!そう、トラ騒動。
1979年8月のこと。
このお寺の住職が飼育していた虎3頭が逃げ出した。
一頭はすぐに戻り、もう一頭は射殺されたが、残りの一頭は
25日間逃亡を続けた。地元では新聞郵便の配達も
中止になり、住民は外出もできなかった。
4キロ離れた大工さん宅の飼い犬が餌になった。
見つかったトラは射殺された。
残りの10頭は北海道に引き取られることになったが、
地元では拒否したので、その後どうなったかは不明。
左は神野寺の宝物館のトラのはく製! その時のトラか不明。

 鹿野山はひとつの山ではなく、三つの山からなる。国土地理院のあるところが春日峰、寺があるところが神野峰、白鳥神社があるところが白鳥峰で、そこを回る古道があったそうだ。
 いまはハイキングコースとなっているが、歩く人は少ないようだ。
白鳥峰にある白鳥神社。
ご存じ日本武尊(やまとたける)を祭る神社。

日本武尊は阿久留王を退治するために
この地にやってきた。この王の墓はルート上にある。
 日本武尊は滋賀県の伊吹の神との戦いに敗れて
亡くなる。「倭は国のまほろば・・・」と詠い
白鳥に姿をかえて大和に飛んでいく。

下の写真は
白鳥神社の前の広場から、九十九谷(くじゅうく)
を眺めたもの。朝早いので逆光だが、すばらしい眺め。
先日兵庫県の和田山で、朝霧に浮かぶ竹田城
に行ったが、それに劣らぬいい景色だった。
あのゴルフ場が古い山城だったら言うことないのだが。

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