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 第20番と第21番の札所をとおるルートは第二の遍路ころがしと言われる。
それぞれ400mほどの上りがある。特に大龍寺へは一度那珂川まで降りてさらにもう一度登る。
それぞれに分ければいいのだが、ちょうどいいところに宿はない。
大龍寺はぐるっと回ってロープウェーという手もあるが、
それでは歩き遍路の名がすたる。

 これまでは大龍寺に着けばあとは駐車場から舗装路を下るだけだったが、
私たちがとったコースは昨年12月に40年ぶりに復活した「いわや道」を通ることにしている。
この下りは難路なので、登山の用意をして通るようにと注意書きがある。
(案内書にはまだ通行止めと書いてある)。少々ビビりながら行って見た。

 朝のうちは昨日からの雨が続いていたが、小雨になって来た。しかし鶴林寺はまったくの霧の中。
どこからか亡霊が出てきそうな感じ。途中で40キロも背負ったプロの遍路さんと一緒になる。
こんなに背負っているのにゴム草履。60歳というが元気。いろいろ話しながら歩いた。
朝早くは寺の門前で托鉢をしながら、遍路行をしているとのこと。


 第20番 鶴林寺
生名の集落:6時に歩き始める わらぶきの遍路小屋:泊まれるなぁ
急坂もこれなら歩きやすい 水飲み大師:湧き水あり

プロの遍路さん 那賀川の蛇行:あそこまで下る!
ギンリョウソウ:湿気っぽい 沢ガニ 鶴みたいなマムシ草
やっと着いた:山門(駐車場前)  第20番札所:鶴林寺
阿吽の吽 鶴林寺:大師堂 阿吽の阿


那賀川へ下り、また登り!

第20番鶴林寺まで400mほどの登りだった。雨模様の中2時間ほどで登ることができた。まだ旅の始まりなので、体力気力はあった。「へんろころがし」である第12番の焼山寺の登りに似ているが、荷物は雨具と弁当以外「鮒の宿」においてきたのでここまでは楽だった。雨模様なのでお参りの人はまったくいなかった。

この寺から那珂川まで一気に下って、そこからまた第21番太龍寺に登ることになっている。車遍路の人はロープウェーもあるが、我々は歩きにこだわっている。太龍寺の登りも大変だが道はよく整備されているので、案外楽に行くことができた。

急な下り:濡れているので滑る 下ると霧は晴れた!
ロープウェーなんか乗るものか! 那賀川に架かる水井橋
麓の八幡神社 八幡神社の狛犬だ!

矢印は車の道:我々は右へ行く 若杉川? 遺跡があるそうだ!
いよいよ登りにかかる 快適な登りで、駐車場からの道に合流

第21番 大龍寺

■上の写真は大龍寺からくだる古い遍路道「いわや道」だ。この道は国指定の史跡になっているが、
大龍寺から2.5キロ下ったところで、写真のように行き止まりになっている。寺や役所では、
「いわや道は行き止まりなので引き返して下さい」と記している。

■昨年までは歩き遍路さんたちは、しぶしぶ駐車場からの下り道を使っていた。
しかし地元の人たちの努力によって、古い遍路道である「いわや道」は復活して
通れるようになった(2014年12月から)

■事前に私は、役所や寺が通行止めといっても、それを無視して
「古い伝統あるいわや道を通る」つもりでいた。
インターネットを見ると「いい道だ」との記録がいくつもあったからだ。

■「鮒の里」のご主人の話では、「もう十分通れるよ」とのことだった。
しかし実際に行ってみたら、寺にはなんの表示もなく、途中からも、
「そうとうな難所なので覚悟するように」との表示がいくつもあった。

国の史跡でこんなのはないなと思うが、どこかで変な利害が対立しているのだろうか?

山岳宗教の祖である役行者 第21番大龍寺の山門
第21番太龍寺 納経所の天井画
太龍寺本堂 太龍寺 大師堂
新緑の中、デショウジョウ!の赤! 多宝塔も立派


史跡:阿波遍路「いわや道」

■歩きの遍路は本堂と大師堂にお参りして、急な階段を下りて納経所へ向かう。
その後の下りは、上の地図の赤い←のT字路から下って、駐車場にでて、
長い車道を下って民宿「坂口屋」におりる。
翌日は黄色い道を3キロほど下って阿瀬比から平等寺に向かう。

■どうみても地図の真ん中のいわや道を通った方が近いし、楽そうだ。
赤い線で示した道が昨年復活した遍路道だ。皆さんここを通れば、次に向かうのが楽ですよ。

■歩き遍路らしき人に、「新しく道ができたそうですよ!」と声をかけたが、みな駐車場に降りた。
「変なおっさんに言われたことなど信用しない!」という人たちかもしれない。

■せっかく整備してくれたのに、使わないのはもったいないよ! みなさん「いわや道を歩きましょう!」

大師堂から鶴林寺!が見える! 200回も回った人がいる!
舎心ヶ嶽への道:88か所がある。 修業中の弘法大師
まず左へ! 案内板なし やっと出てきた道しるべ
でも、こんな注意が!  こんなにいい道なのに!
下へ行くと石灰岩採石所 ここから急坂!
阿瀬比の集落へ ヘンロ小屋

案ずるよりも産むがやすし??(奥さんの言うには案ずる方が産むより安し!)
今回は案じたほどのこともなかった。遍路ころがしは前回の方がはるかに大変だった。
まあ慣れたせいもあるが、こちらの方が山は浅くて、途中に自動販売機もあるし。

  高度差   距離 時間 歩数
生名ー鶴林寺 400m 登り 3.1q 1:30 5580歩
鶴林寺ー水井橋 400m 下り 3.2q 1:30 6200歩
水井橋ー太龍寺 400m 登り 4.5q 2:00 7500歩
太龍寺ー舎心ヶ嶽  50m 登り 10q 1:00 1500歩
舎心ヶ嶽ー阿瀬比 450m 下り ;4.6q 2:00 7640歩
16.5q 8:00 28420歩

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