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06年 夏の北岳 花図鑑
 2006年の夏山は白根北岳
 北岳は3193mの日本で二番目の高山だ。つい最近まで3192mだったが、筑附高地理の先生のTA代博さんが、「ちょっと高さが違うのでは?」と疑問を呈した。国土地理院は2004年に再調査をして、三角点の28m南南西の岩の方が、80p高いことを確認し、正式に3193mの標高が確定した。
 今回も相棒はE本さん。E本さんの車で、芦安に行き、そこから南アルプス市の公営タクシーで夜叉神峠を越えて広河原まではいる。広河原−奈良田の道路は先日の大雨で、土砂崩れを起こし、全面通行止め。実はそれを知らずに前日奈良田まで車で行き、引き返したので、少々眠気気味で、朝8時吊り橋を渡って登山開始。
クサボタン(右)
 広河原の吊り橋の近くで、まずこの花が迎えてくれた。葉がボタンに似ているとのことだが、よく分からない。花がくるりと巻いているのが特徴で、女の子のカールした髪型みたいだ。

キツリフネ(黄釣舟)(下)
 ツリフネソウはピンク色だったが、ここのは同じ形だがきれいな黄色。舟をつり下げたような形だ。大きく開けた口に昆虫が入る。

センジュガンピ(千手岩非「草冠がつく」) (右下)
 ナデシコ科の白い花。花弁の先端が浅く裂けている。珍しくピントがあった写真が撮れた。
 
雪渓の脇はお花畑!

 広河原から大樺沢を登る。先日の大雨で、登山道は崩れ、川になってしまったので、仮設の橋で沢を渡り、右岸を登る。新しい道はまだなじんでいないので歩きにくい。2時間ほどで二俣にでる。ここには公衆トイレがあって、ディーゼル排気のガスが空気を汚している。

 右写真が二俣。夏の終わりだがまだ雪渓は残っている。しかしここには流水はない。草滑りのコースに行くと、この先に水場はない。ほとんどの人たちが水のある大樺沢コースを登っていった。
ヤナギラン(左)
 私の好きな花なのだが、二俣の下の、この場所にしか咲いていなかった。

ゴゼンタチバナ(下)
 白い4つのかわいい花びら。昨年尾瀬でたくさん見つけた。加賀の白山の御前峰でみつかった。実がタチバナに似ているそうだ。

ミソガワソウ(下左)
 木曽川の支流の味噌川にたくさんある。こんな名前は知らなかった。シソ科。
バットレスだ!

 二俣をすぎると、左手に雪渓、右手にロッククライミングで有名な大岩壁が見えてくる。大学山岳部の時に4尾根で落石にあって甲府の病院まで運ばれたことを思い出す。よくあんな所を登っていたものだ。

 大樺沢を登り切ると八本歯のコルという鞍部に出る。その手前にはハシゴ段が数百段ある。こりゃけっこう大変だ。80歳のオジサンが75歳の奥さんに叱咤激励されて登っている。「帰りたいけど、帰してもらえない」と情けなそうだったが、3時には北岳山荘にたどり着いていた。
ハクサンフウロ(左上)
 これは私でもよく分かる。清里でいつも見ている。
タカネグンナイフウロ(上)
 グンナイは山梨県の郡内のこと。紫色が濃く、ハクサンフウロとは区別 がつく。
ミヤマハナシノブ(左)
 北岳と白馬にしかないそうだ。いい名前なのだが、ついカタヤマシノブ を思い出して、笑ってしまう。
イワアカバナ(左下)
 小さい花で、ほとんど目立たない。八本歯のすぐ下にあり、おばちゃん 登山者に教わった。
ミヤマシシウド(下)
 シシウドは私でもよく分かる。その高山種だそうだ。
はしご段を越えて北岳山荘に向かう。紫の花シリーズ!
シラネヒゴタイ(右上)
 ヒゴタイという名前を知らなかった。熊本から来たおばちゃんに教わっ た。アザミに似た色、形。ヒゴタイの花は紫で球状。絶滅危惧種とか。
タカネナデシコ(右)
 これはよく目立つ。きれいなピンク。
ヨツバシオガマ(右下)
 特徴ある花だからよく分かる。北岳山頂への道脇にたくさん咲いてい た。(四葉塩釜)
イブキジャコウソウ(下)
 伊吹山で発見されたそうだ。ジャコウの匂いがするそうだが、私には  分からなかった。
 ここから白い花シリーズ 名前が分からないのが多い。
シコタンハコベ(上)
 色丹島由来だが、各地にある。5枚の花弁が2つに割れているので 10枚に見える。
シコタンソウ(下)
 花弁の中央部には黄色の斑点が、上部には紅色の斑点がある。よく目立つ。色丹島由来だが、礼文クモマグサとも呼ばれる。
タカネツメクサ(上)
 高嶺爪草、
イワツメクサ(下)
 岩爪草、鳥の足の爪に似ているのだそうだ。花弁は5枚で、それぞれが2つに別れているので10枚に見える。
タカネビランジ(上)
 鳳凰山にたくさんあるが、あちらはピンク。図鑑はほとんどがピンク色 。北岳のは白い。ビランジの意味は不明。
ミネウスユキソウ(下)
 和製エーデルワイス、花のように見えるのは苞葉、綿毛はふんわり。
ミヤマミミナグサ(上)
 耳菜草、ネズミの耳に似ているとか。花の先が2つに割れ、さらに2つ に割れている。
タカネイブキボウフウ(下)
 複散形花序というそうで、20〜40個の小散形花序をつける。蕾は紅紫 色で開花すると白くなる。
ここから黄色花シリーズ 
ミヤママンネングサ(上)
 深山万年草 ベンケイソウ科の植物。岩に張り付いて生きていく。最  近屋上緑化に使われているとか。
ウサギギク(右上)
 兎菊、別名キングルマ。
アキノキリンソウ(右)
 秋の黄輪草(麒麟草)、嫌われ者のセイタカアワダチソウの仲間。
キンロバイ(下)
 金露梅、トラバース道沿いに多い。中心の星形がかわいい。
オトギリソウ(右下)
 弟切草、止血の薬草。平安時代、製剤の秘法を洩らした弟を兄が斬り 殺した。花言葉「復讐」
遠くに富士山。よく見るとちょっと傾いているなあ!(北岳山荘から) 仙丈岳の夜明け(北岳山荘から)
中白根の頭、3000m峰だ。ここはハワイではない! 本格的登山者のような姿。E本さん!間の岳への登り!
ヒメコゴメグサ(上)
 小さくてかわいらしい。花弁は白、ピンク、黄色の三色。これはすばらしい。姫小米草
イワギキョウ(右上)
上を向いて咲くのがイワギキョウ。横向きがチシマギキョウと聞いたが区別はつかない。
トウヤクリンドウ(右)
 唐薬リンドウ。薬に使われていた。この時期、稜線上の主役。至る所に咲いていた。
トリアシショウマ(下)
鳥脚升麻。若芽の茎は山菜として珍重。稜線より低いところにあった。
オンタデ(右下)
御岳の名をとった蓼。蓼食う虫も・・・。富士山の砂礫地にもある。赤いのは花の後。ふつうは白っぽい。
上の写真は農鳥岳、一番左が本峰だが、西農鳥岳の方がちょっと高いことになっている。しかしどこが頂上かよく分からない。もしかして右のちょこんと出ているところが西農鳥なら、私は3000m峰を一つ登り損ねたことになる。E本さんはちゃんと登ったという。

イワベンケイ(右上)
雌雄別株で、雌株には花弁がなく、受精すると子房が赤く色付く。サボテンに似て、肉厚の葉をもつ。頑丈そうなことから弁慶草。
キタダケトリカブト(右)
ご存じ、猛毒の鳥兜だ。この時期お花畑の主役。色はかなり濃い。
イブキトラノオ(下)
北岳山荘へのトラバース道の周囲のお花畑。イブキトラノオが主役。紫はトリカブト。ピンクはヨツバシオガマ。