関東以北で最高峰の日光白根山は海抜2578m。きれいな対称形の火山だ。最近では1889(明治22)年12月4日噴火。頂上付近は溶岩ドーム。小さな噴火口もある。風化が著しく正面の沢は大きく崩れている。登山道は右側の森林を巻いて、右のスカイラインをいく。
日光白根山
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  2006年10月10日、3連休の翌日なのであまり人出はないだろうと思ったが、3日続きの快晴の空に誘われたのか、大勢のおばちゃん、おじさんが登っていた。と言っても前日の混雑に比べれば、ものの数ではなかったようだが。
 14,5年前に登ったときは、菅沼の脇から座禅山経由で登ったが、今は丸沼スキー場のロープウエーで2000mまで登ることができる。そこからは高度差578m。菅沼コースは高度差800mもあるから、こちらのコースの方が1時間以上短縮になる。今ではほとんどの人が「文明」のお世話になっている。我らもヘソをまげず、往復1800円の出費で楽なコースを取ることにした。

 ロープウエーから眼下に丸沼が見える。1ヶ月前にあの湖岸でジンギスカンを食べたっけ。ぐんぐん登ると紅葉がだんだん色を増してくる。歩いていると葉の下しか見えないが、上から葉っぱを見るんだから一段と色は鮮やかだ。山頂駅の真ん前にドカーンと白根山が鎮座している。レストランのお姉さんは2時間でいけるというのだが、本当に行ったことがあるのだろうか。私の予測では3時間。二荒山神社の赤い鳥居をくぐって、いざ登山開始。
 鳥居をくぐりシカ除けの柵を開けていく。コースはいくつかあるが、樹林帯コースがメインのようだ。途中から直登コースもあるようだが、今は通行禁止。見あげるといまにも崩壊が起きそうな道だ。樹林帯コースはシラビソの林を長々と歩く。所々にナナカマドの葉っぱ真っ赤に色づいている。景色は見えないが、今は紅葉のまっただ中。すばらしい色を楽しみながら歩く。木の間ごしに尾瀬岩鞍スキー場、上州武尊山が低くなっていくのが見える。白根山はこの辺りでは群を抜いて高い山なのだ。下の真ん中写真の双耳峰は尾瀬の燧ヶ岳。

 紅葉は美しいが、今の時期花はまったくない。白い綿綿みたいなのはカニコウモリのなれの果て。シーズンはこの辺りはお花畑だったのだろうに。花の時期は、黄色いハンゴンソウ、小さな花のカニコウモリの群落がある。
 右上の写真は、2.5万分の1の地図にもある大日如来。ちゃんとした祠があるのかと思っていたが、路傍の石像だった。 
 樹林帯コースは1時間半ほどで、大きく方向を変えて、突然上のような眺望の開けた場所に出る。下から見たときには、黒い頂上だったので、これほど明るく空が開けてきたのには驚いた。予想通りの景色が出てきても、それ程感動しないが、思っても見なかった状況に出会ったときに驚き、そしてうれしくなる。これは外輪山の壁なのだが、崩れてぐずぐずしているので、明るく見えるのだ。ルートは左の上の窪に向かって登っていく。
 ザラザラの道を15分ほど登ると、頂上の窪地に出る。これは予想通り小さな噴火口だ。右の土手の上に2人いるので、大きさはだいたい推定できる。祠は外輪山の上にあるが、頂上はその先の高まりにある。
 噴火口を一回りするのには5分ぐらいあれば大丈夫。3日前の大低気圧によってかなりの雪がふった。北アルプスではおおぜいの方が吹雪で亡くなった。下の写真は雪。反対側の土手からは男体山、中禅寺湖がよく見えた。
 登りはじめの時間が遅かったので、ゆっくりもできず急いで下り降りる。オジサンオバサンを数組追い越したので、ビリになる心配はなくなった。のんびりと紅葉を楽しみながら、ロープウエーの駅に到着。
 昭和インターから関越高速に入り、上里SAの天やで500円の天丼で夕食。7時半には家に着いた。