読書チャレンジ:7日目 「高校数学と仲直り」

 テレビでは連日「80%接触削減」と繰り返している。新宿や東京駅の風景が写り「昨年よりも81%も減りました」などと報道している。数値を見せられると根拠がありそうだが、電車の乗降客が80%減ればいいのか?よくわからない。小池都知事は「三つの密」を避けると指示している。しかし三密にならなければいいと曲解して地方の神社詣でする人もいる。「STAY HOME」の標語のとおり家で犬を抱っこしてコーヒーを飲んでいればいいと理解した人もいる。

 日本ではほとんどの人がなんとなく理解して外出を控えているが、国によっては暴動が起きたり、何万人もの人が亡くなっても経済活動再開のデモをやっている状況がテレビに映し出されている。消毒薬を注射すればいいだろうなどとんでもないことを言う指導者もいる。指導者は科学的、論理的に説明しなければ、納得させられない。論理的でなければ、いくら繰り返し丁寧に説明してもただの詭弁にしかならない。

とはいえ反論するだけの科学的、論理的思考が私にないのが悔しい。そこで何かいい参考書がないかと書棚を眺めていてこの本を発見した。「論理と統計でディベートに勝つ」という章があった。2005年の出版だから新型コロナのことはないが、小泉首相のイラク特措法の論議の破綻など数学的な見方で説明されている。いまの高校数学は確率統計を駆使して社会との関係を深めている、と私は理解した。私の時代、算数の続きのような高校数学だったが、若い指導者たちは高校数学を学んできているはず。論理的に考えることができるはずだ。

オーバーシュートの説明で専門家は一見グラフに見えるイラストを見せて解説していた。普通の人はついグラフだと思い、急激な増加予測に驚いた。しかし専門家はイラストを使って説明と言っていた。この図は横軸にグラフでは一番大事な時間の長さが表されていない。時間軸を正しくとれば、感染者数を抑えることで長期戦になることはすぐわかる。しかしオリンピック関係者は急激な感染を抑えれば4月には終息できると考えた。それに忖度した厚労省はPCR検査数を抑えて、感染者数が少ないように見せた。オリンピックが延期になり、それから対策を始めたが、後手後手に回ったことは周知のことである。

科学的論理的に考え行動を起こさないと、とんでもないことになる。今は非常事態宣言を解除するかが問われている。専門家が示すグラフを見れば終息に向かっていることはわかっているが、まだ1か月延長する方向だという。子どもたちのために早く学校を開かなければ、将来に禍根を残すことになる。中小企業はつぶれるよ。国の指導者は、専門家の話を理解できるような教養を持たなければいけない。
「高校数学仲直りブック」でちょっとだけ学んだけだが、指導者の教養のなさは国の命取りになると思った。これからの時代、指導者も含め理科嫌い、数学嫌いではいられない社会にならなければいけないだろう。

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