水爆実験! 時代錯誤

北朝鮮が水爆実験を行ったという。気象庁の発表では北朝鮮の北西部を震源とする地震があり、その波形は通常の地震のS波が観測されないことから、爆発によるマグニチュード5.1の地震であるとしている。これを専門家が解釈すると核爆弾に違いないということらしい。北朝鮮の発表は水素爆弾というが、水素爆弾にしては規模は小さい。小型水爆ではなくて原爆だろうというのが韓国やアメリカの判断らしいとTVでは報じている。日本は情報を収集して判断するそうだが、独自の解釈はないようだ。

大騒ぎさせるのが北朝鮮のやり方だが、それに組するのは嫌だ。しかし政府やマスコミは北朝鮮を叩くのはいまだとばかり大騒ぎを始めた。北朝鮮の思うつぼだろうが、日本政府も思うつぼ。これで安保法案は安泰ということになりそうだ。拉致問題も水爆騒動でかすんでしまう。政府はこれでいいわけができる。どうにもやりきれない。

昨日「ゴジラがいた」というブログで、1954年(昭和29年)アメリカは マーシャル諸島のビキニ環礁での水爆実験で、ゴジラが出現したと書いたばかり。もう少し詳しく書いておく。

日本のマグロ漁船第5福竜丸が水爆実験の死の灰を受けて、乗り組員の久保山愛吉さんが亡くなった。当時世界中が大騒ぎになったことはよく覚えている。第5福竜丸は現在は夢の島に展示されている。ビキニ環礁は現在でも放射能汚染で帰島困難だ。原爆の数千倍の威力を持つ水爆の恐ろしさは世界中に知れ渡り、水爆については幻の兵器として封印されており、その後水爆実験は行われていない。しかし北朝鮮はその封印をかってにといてしまった。世界中が驚き怒っている。世界中の人々は断固たる処置を取らなければならない。この時代になってこんなことをするなんて!

よけいな話だが「ビキニ」という水着がある。ビキニ環礁には第二次世界大戦の後アメリカが核実験場を造って原爆実験をやっていた。その噴煙(キノコ雲)のすざましさをフランスのデザイナーが表現したことに由来する。その後さらに規模の大きい水爆実験でイメージが拡大し世界に広まったのだそうだ。ビキニといったら平和な世界の象徴みたいだが、私ら世代には、背後に核実験の影をみる。