武生の花筐公園の桜

花筐(はながたみ)ーーー継体天皇物語ーーー

継体天皇と照日の前の像である。世阿弥が作った謡曲「花筐」はこの二人のロマンスが語られている。越前の国、味真野におられた男大迹(ヲホド)皇子は、にわかに皇位につくことになり寵愛する照日前に花筐(花かごのこと)と玉章を贈って上京し、継体天皇となられた。
残された彼女は皇子恋しさのあまり花かごと手紙を持って大和の玉穂の都に上り、紅葉狩りの行幸に出あう。そこで花筐が縁で再び天皇の愛を回復したというお話である。
第25代武烈天皇には子がなく、亡くなった後、後継者を越の国から探し出した。男大迹(をほど)皇子は突然のことで恋人を置いて都に行く。しかし反対がおおく、第26代継体天皇になったのは58歳の時だ。照日前はそんな長いこと待っていたのだろうか。