059   丹後一宮   京都府宮津市
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(この)神社
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 主祭神  彦火明命(天孫ニニギ命の兄)     =ニギハヤヒ命(?) 
 相殿  豊受大神(伊勢神宮・外宮の神) 豊受大神を奉じて彦火明命は高天原から丹後に天降りをした。 
 天橋立まで行くと観光バスがたくさん集まっている。立派 な石の鳥居がたっており、元伊勢・籠神社である。丹後の一宮だが、元伊勢と言った方が集客効果があるようだ。
  古い民謡: 伊勢へ詣らば 元伊勢詣いれ  元伊勢お伊勢のふるさとじゃ  
          伊勢の神風海山越えて  天橋立吹き渡る

ここに自転車を止めて参拝というか見学。私は全国一宮巡りをしているが、あまり信心心があるわけではない。お賽銭を入れるが、それ以上お祓いをしてもらったりすることはない。それぞれの地方の人々がこの神社をどう守ってきたのか、その地にあってどんな意味を持っていたのかなどを考えたいと思って、巡っている。

 そこにどんな神様が祭られているか、その神様はどんな神様か、それも大変興味深い。この前に参拝した但馬の一宮、出石神社の神は、新羅の王子だった。ここの神さまは海に関係深い神さまのようだ。

 丹後、但馬地方は昔は大陸からの表玄関。新羅からの神様もしばしばやってきたのだろうと思っていたら、籠(この)神社は元伊勢で、大和におられた天照大神が引っ越してこられたのだそうだ。私のイメージでは、大陸からやってきた一族が、この地を拠点にしてさらに都の方に行ったというものだったが、どうも逆で大和からここに移って、さらに現在の伊勢に移っていったという。
「ウウーン、大和で勢力をそがれた天照大神一族が都落ちしてここに移り、再起を図って今度は伊勢の方に移った」
と思えばいいのかな・・・・!

神門:鰹木は6本

 

拝殿の鰹木は8本:2本ずつ多くなる
籠神社は「元伊勢」と呼ばれるように、鰹木が伊勢内宮と同じく10本載っている。拝殿には8本、門には6本と、奥に行くほど多くなっている。あまり気がつく人はいないみたいだが、これはなかなか意味深いことだ。(上の図は神社のHPを参照)

 籠神社の宮司さんは海部(あまべ)さん、80何代続いているのだそうだ。海部家の系図は国宝であるとか。
 海部という名前は海と関係が深い。近くの「伊根」集落には「浦島太郎」の伝説が残る。

 総理大臣だった海部さん、海ではなく宇宙を研究するすばる天文台長の海部さん、など関係ある海部(かいふ)さんなのだろうか・・・?読み方が違うけど! 
鰹魚木は10本、伊勢内宮と同じだ! 内削だから女神



ちょうど夏越の祓い:茅の輪くぐり 摂社:猿田彦神社・天のうずめの夫神
 籠神社の社殿、鳥居などは新しく、金ぴかなので観光客のうけはいい。かなり古いのは拝殿入り口の狛犬で、これは重要文化財だ。
狛犬研究者の間では、この狛犬一対が日本の狛犬の原型だという。屋根の下で大事にされているが、彫はだいぶ薄くなっている。
  この狛犬は、なよな町に出て悪さをするので、岩見重太郎・・・・・おお久しぶりに聞く・・・・が切りつけたて退治した。その傷跡が狛犬の足にに残っているそうだ。
 岩見重太郎って、講談では有名な三大豪傑の一人、ほか二人は塙団右衛門と後藤又兵衛だ・・・・と言っても知ってる人は少ないだろうか。重太郎はここ天橋立で、兄と父のカタキ、京極家の三千人を相手に戦うのだが、その助太刀に豪傑二人もやってくる。講談の話はなかなかおもしろい。子どものころにはよく聞かされた話なので、懐かしい。「おおここで岩見重太郎は敵を討ったのか!」・・・・・・いいねえ!
 出雲地方に多い逆立ち型の狛犬
成相展望台から股のぞき 阿蘇海一周マラソン!
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籠神社の奥社・真名井神社
 籠神社の奥宮にあたる位置に真名井神社がある。「真名井」というのは「神聖な水の出る井戸」のことで、とくに「天の真名井」(あめのまない)というのは高天原にある神聖な井戸で、最高の清水だそうだ。先日高千穂に行ったときに「くしふる神社」に真名井があったのを思い出した。その大事な井戸の神社には衣食住をつかさどる豊受大神が祭られる。
 
 地蔵さんの脇に真名井の井戸がある。井戸は2004年の台風23号の被害で水が枯れたが、2006年に新しく100mほど掘って新たな水源を見つけ、現在にいたっているそうだ・・・・京都新聞・・・・。真名井ならば千古の昔から枯れることなく湧きだしていなければならないのに。関係者はけっこうあわてたのだろう。暑い日で、自転車で少々疲れていたが、この水を飲んだら元気が湧いてきた。霊験はまだあらたかなのだろう。
 籠神社から天橋立を後ろに、参道を上がると天橋立ユースホステルの建物がある。昔、伊根の舟屋を見に来た時、このユースに泊まったような記憶があるが定かではない。・・・左

ユースの脇に「波せき地蔵」があるが、1300年前におこった大津波がここで食い止められたという。この地の標高は30mあるから、もし本当なら東日本大震災の津波よりも大きい津波があったことになる。・・・・・下2枚

 この近辺は大飯原子力発電所をはじめとする原発銀座であるから、この言い伝えの真偽も少しぐらい考慮する必要があるだろうに。
 真名井神社の本殿の裏に磐座がある。古代の神社のご神体は磐座だった。大和の三輪山は古い遥拝形式を持っており、本殿がなく拝殿から三輪山の磐座を遥拝するようになっている。

 磐座こそが神さまの宿る場所なのだ。ここ真名井神社は天照大神、天ノ御中主、宇迦之魂、そして塩土老翁、スサノオ、猿田彦など多くの神様の磐座がある。さらに奥の山は禁足地になっており、だれも入ることはできない。
奥宮の磐座 こちらも磐座

 籠神社の「籠」という字は竹かんむりに龍の字がある。奥社である真名井神社の狛犬は犬ではなく龍になっている。
籠神社も新しいのは龍の狛犬??だが・・・・
 右は真名井の霊水
左上の写真、今は巴になっているマークは古くはダビデの星だった。いつの間にか替えられたそうだ。しかしここは最大のパワースポットだそうだ。天橋立からかなり奥まっているが、元伊勢の社はこちらだそうだ。なにか不可思議な感じのする神社だった。
真名井神社の入り口にこんな右写真のような石碑が建っていた。どう読むのかわからない。ヒントは左手にある新しい御影石の石碑。「よさ」かな?? 丹後半島は与謝半島ともいう。昔は与謝郡だった。
籠神社、真名井神社なかなか興味深く、霊験あらたかな神社だ。パワーをたくさんいただいて天橋立の松原の縦断にむかう。と言っても松原の長さは2.5kmほどしかないが・・・
・・

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