東国三社・息栖神宮 |
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鹿島神宮と香取神宮に詣でるつもりだった。鹿島神宮のボランティアガイドさんが「それじゃもったいない。息栖神社にも行かなけりゃ!」とのこと。「まあ田舎の小さな神社だろう」と思ったら、由緒ありそうな立派な神社だった。勝手な先入観を持つと、ありがたいものを見失うことになる。先達の言うことは聞くものだ。
息栖神社は神栖市にある。昭和30年息栖村、軽野村が合併。神之池と息栖神社から新村名を「神栖」とした。2005年(平成17年) 神栖町が波崎町を編入し神栖市になった。ということで、神栖市は息栖神社が元になっているのだ。息栖というのは香取海に浮かぶ沖洲(おきす)がなまったもので、大昔このあたりは砂州だったらしい。この神社は河口に近い日川地区にあったが、少し上流の現在地に移ったと、社伝にあるそうだ(1200年も前の話だが)。 |
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河岸からみた息栖神社の一の鳥居。両側の大小の鳥居は忍潮井に建っている。
忍潮井は海水を押しのけて出てきた真水の泉。 |
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上の地図にあるように外浪逆裏から続く常陸利根川に面している。よい川港だった。 |
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さて神社の主祭神は岐神であるが、あまり聞いたことがない神だ。岐の神(ふなどのかみ)
巷の神(ちまたのかみ)または辻の神(つじのかみ)と読むみたいだが、
民間信仰における神で、疫病・災害、悪神・悪霊が集落に入るのを防ぐ神。
道祖神あるいは塞の神(さえのかみ)とも言うそうだ。ともかく天孫系の神ではない。 |
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海から続く参道。古木がうっそうと茂っている。 |
本殿はコンクリート製。立て削ぎ。 |
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末社に八幡様がある。きつねのホウカムリ |
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忍潮井(おしおい)は三大霊泉のひとつ。他は伊勢の明星井(あけぼのい)・伏見の直井(なおい)
左は女瓶、右はちょっと大きい男瓶、水が湧くところはひょうたん型をしている。 |
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舟だまり脇の立派なお宅。その隣には
海運会社があり、猿田水産と書いてあった。
息栖の神さまは道祖神のような神。天孫を導いた
猿田彦と同種の神とみられ、息栖神社を天孫系の
猿田彦の神社とする説もあるそうだ。 |
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芭蕉句碑
この里は 気吹戸主の 風寒し
芭蕉が水郷地域を訪れたのは貞享4年 1687年鹿島の月を眺めるためであった。
イザナギノ尊が黄泉の国から戻った時、穢れたものそぎ落とし清め流した。その流れから生まれたのが気吹戸主で、この神社の祭神である。清浄化・生々発展・蘇生回復の神である。
これあやかって芭蕉さまは、この神域にいると身も心も洗い清められ、身体の中を風が吹き抜けるほど透き通って寒くなるくらいである。と詠じた。
息栖神社の祭神は現在、岐神・天神船神・住吉三神で、海上守護、交通守護の神である。しかし江戸時代には気吹主神と記しているものもある。芭蕉の句はそれを知ってのことである。 |
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