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■第23番薬王寺をでて3日目にしてやっと土佐国(高知県)最初の札所である室戸岬の第24番:最御崎寺(ほつみさきじ)に到着する。札所間では最長の80キロを、自転車を使いながらだが、奥さんと共に歩きとおした。「けっこうエライことだ!」と自負しているが、お大師様はなんと見て下さるか。

■前々回第12番の焼山寺の「へんろころがし」を登って、息も絶え絶えに最後の石段にたどり着いた。「やっときたよ!」と奥さんに声をかけたところ、上から降りてきた3人のどこかの寺の坊さんが、「たいしたことじゃない!そんなこと威張るな!」と、吐き捨てるように言った。坊さんに威張ったわけではない。ショックを受けた。

■今回は「やっと到着した!」言わないように気をつけたつもりだったが、また寺の人に「そっちは裏口だから、正面から帰りなさい」と注意された。バスの遍路の後をついて行ったのに、我ら2人だけが引き戻された。私たちはお賽銭は上げたが、白装束はしていないし、朱印も受けてはいない。それを係の人が見ていて、ちょっと、いや露骨に意地悪したのではないか。

■室戸岬は、弘法大師が空と海を感じて、空海となったという最大の霊場だと私は期待していた。修行した寺の下の洞窟「みくろど」ではすばらしいパワーを感じたが、急坂を上りついた場所ではあまりいい感じがなかった。いいお寺なのだが、観光慣れした組織は聖地にはふさわしくない。新しくできた世界ジオパークセンターにお参りした方が霊験がありそうだ。

■最御崎寺は室戸の東寺と言われるそうだ。まだ早い時間だったので、室戸西寺の第26番金剛頂寺まで行き、宿坊に泊まった。こちらは寺の方も親切で大変気分がよかった。食事も大変結構だった。西寺の偉いお坊さんは今は東京の護国寺におられるとおこと。同じ真言宗豊山派なので交流があるようだ。そういえば東京の護国寺の隣には日大豊山高校がある。日大に買収される前には、護国寺が経営する豊山高校だった。


津波が来たら逃げられない!

■ 昨日泊まった「徳増」にいるときに東京から電話があった。かなり揺れたとか。テレビをつけるとマグニチュード8.5と言っている。私のいる室戸の東海岸は「南海地震」が心配される地域で、高い堤防や津波避難タワーが装備されている。

■ 前は海、背後は急な斜面なので、逃げる場所はない。かなり焦ったが、津波はないという放送。

■もし本当に津波が来たら!逃げることはできないな!
 2日間で62km歩いた。あと16q! 民宿「徳増」から見える夫婦岩! 
大きな網:人手がいる。  なにか特別の岩のようだ! 
世界的な地質博物館  枕状溶岩:海底火山の溶岩 
頑丈な塀で囲まれたお屋敷!  青年大師の像:大きい 

この御厨人窟(みくろど)で弘法大師は修行をしたそうだ。
ここから見えるのは「空」と「海」だけ。突然口の中に明星が飛び込んできて悟りを得た。
ここから空海と名前を付けたという伝説がある。
この洞窟に入ってみると、「なるほどその通りだ」と感じてあちこちで話をした。

しかしいろいろ調べてみると、それは伝説で、空海が中国で教えを受けた恵果(けいか)阿闍梨の師である不空(ふくう)金剛という人と関係がありそうだという話を聞いた。

不空はセイロン(今のスリランカ)出身で、720年に唐に来た後に、南インドに戻って真言の秘法を受けて再び唐に戻って玄宗皇帝に仕えた。金剛頂経ほか密教の経典を訳して中国密教の基礎を作った。そして774年に亡くなった。

774年といえば、弘法大師空海が生まれた時である。真言宗では774年6月15日、不空の亡くなった時間に生まれたことになっている。空海は遣唐使として唐に行く前から真言密教については学んでおり、不空の活動を知っていた。

本名の「眞魚」(まお)から空海になる前に、無空とか教海とか名乗っていた。私はおそらく「不空」の名前が頭にあったと考えているのだが、そのあたりのことはよくわからない。

余計なことを考えず「みくろど」で海と空を見て名乗ったというのが、一番いいかなとおもっている。


第24番 最御崎寺                                       
国道55号線から150m登る。  灯台側が仁王門。歩き遍路はここから入る。 
仁王門:お大師様が待っててくれる。  仁王門へ入らずに「恋人の聖地」へ 
本堂です。   
 「みくろど」 洞くつの前で 中岡慎太郎像と灯台  最御崎寺 大師堂前で

室戸岬の地図:龍馬より慎太郎が有名  左地図のくねくね道から! 
地元の豪邸:山田本家  お庭がすごい:お茶をいただく 

第25番 津照寺                                            
竜宮城みたいな門の上に本堂  やっとたどり着いた! 
本堂の前から下界を見る  大師堂は石段の下にある 
第25番の津照寺(しんしょうじ)から、次の第26番金剛頂寺のある海岸段丘が見える。手前は室津湾で、26番までは5キロ。段丘の高さは150mほどあるから、2時間以上かかるだろう。すでに2時をまわっている。 到着できるか心配になって来た。

   と心配にはなったが、実際には
無事到着できた。

本日分はだいぶ長くなったので、
第26番の金剛頂寺は
明日分に回します。

花は南国調に変わっています。 

  到着時刻     距離   歩数   
民宿「徳増」−夫婦岩  7:15−7:50    2q      
夫婦岩―世界ジオパーク 9:40    6q      
世界ジオパーク―みろくど 11:08    4q      
みろくど―最御崎寺 12:10    0.8km      
最御崎寺―山田本家 13:30    3q      
山田本家―25番津照寺 14:40    4q      
津照寺―26番金剛頂寺 16:20    5q      
      25q   47850歩   

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