097   肥後国一宮   熊本県阿蘇市一の宮町宮地
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阿蘇神社

とてつもなく大きな楼門が迎えてくれる。この楼門は二層式で仏教的のもの。もとは神仏混交の寺だった。
この立派な楼門は日本三大楼門(筥崎宮・鹿島神宮)と言われるそうだが、
2016年の熊本地震で倒壊した。今再建の真っ最中である。(2012年参拝時の写真)

  この神社の祭神は健磐龍命(たけいわたつのみこと)、別名阿蘇津比子命で、神武天皇の孫という。
社殿は一の神殿に男性神達、二の神殿には女性神達が5神づつ一緒に祀られている。
なんでこんなにたくさんの神を祭るのか不明。
おそらく阿蘇国造が自分の出自を示すために作ったのではないか

  私が参拝したのは2012年だから、社殿はみな荘厳なたたずまいを見せていた。しかしこの場所は
阿蘇火山のカルデラの内部だ。カルデラというのは火山の山頂にできたお鍋のような凹地だ。
通常のカルデラは目で見渡せるくらいの大きさだが、
ここ阿蘇火山のカルデラは世界一と言われるほどの大きさ。

  中央火口丘の南北は鉄道が通り、大きな町が存在している。阿蘇神社は中央火口丘の
北側の凹地に鎮座している。神社の周辺を見てもここが火口の中だということは
気がつかないぐらいの広大な平地である。

  しかしここは活動している火山の中である。人間の時間と自然の時間は桁が違うが、
歴史の中でも何回か火山噴火の影響を受けてきたはずだ。
今回は火山噴火ではなく地震だったが、
災害に会うことは想定内だったのではないかと、
勝手に推察している。現在力強く復興に向けて槌音が響いているようだ。

  この神社には災害に会っても繰り返し復興を遂げるという力、パワーがあることで長く人々から
崇敬を受けてきたのではなかろうかと、2019年現在私は感じている。
   一の神殿      二の神殿  
一宮  健磐龍命 神武天皇の孫   二宮  阿蘇都比当ス 一宮の妃 
  三宮 國龍神 二宮の父   四宮  比東芬q神  二宮の母 
  五宮 彦御子神 一宮の孫   六宮  若比盗_  五宮の妃 
  七宮 新彦神 三宮の子    八宮  新比盗_ 七宮の娘
  九宮 若彦神 七宮の子   十宮  彌比盗_  七宮の妃 
    諸神殿
十一宮 速瓶玉神 一宮の子阿蘇国造 十二宮 金凝神 綏靖天皇
ふつう楼門は二階に屋根があるだけ。
これは二層式楼門、珍しい!
この神社の参道は、正面に続くのではなく
横から入る形式で大変珍しい。両側に鳥居がある。
祭神の健磐龍命は神武天皇(祖父)の命をうけて
阿蘇山登り目の前に広がる湖(カルデラ湖だった)
を眺め、水をなくして田畑を造ろうと考えた。

 外輪山の一部を蹴破ろうとしたが、なかなか
蹴破れなかった。しかし何回か挑戦して
蹴破ることに成功。そのはずみで健磐龍命は
しりもちをつき、「立てぬ」と叫んだ。
その場所が現在の「立野」である。
(現在もカルデラの中の水はすべて立野に
集まり流れ出ていく)

  
蹴破ったところからは、カルデラに
たまった水が一気に流れ出た。
数匹の鹿が流されてしまったことから、
「数鹿流(すがる)が滝」と呼ばれるようになった。

  水が引くと、湖底から巨大ナマズが現れた。
ナマズが湖水をせき止めていたのだ。
健磐龍命はナマズを切りころした。
カルデラは湖から平野に変わった。
健磐龍命はみなに感謝され
阿蘇神社の神になったとさ! 

拝殿:真後ろに三の神殿   ご祭神は13座ある。
一の神殿:健磐龍命 二の神殿:阿蘇都比当ス
 
阿蘇には湧水がたくさんある 神の泉:ここは飲めない
 
御田植の神事:7月下旬 火振り神事:3月中旬 
龍頭の額:楼門完成記念額  謡曲「高砂の松」 
 横参道を見る。楼門下に狛犬 阿吽の狛犬:尾がかわいい 

2016年、熊本地震で阿蘇神社が倒壊したというニュースを見て驚いた。
神さまが降臨する神社がいとも簡単に崩れるとは、神さまのご利益はないなと思った。

しかしご利益をくれるだけが神様ではない。人々に試練を与えることもある。
その時には神も仏もあるものか!と神仏を呪うが
それは、こちら側の論理で、神のあずかり知らぬこと。

神さまはそこにあってただ見つめているだけ。
何やら大きな存在で、そこにあるだけで安心する。
社殿が壊れたって、神さまが壊れたわけではない。

人々は神さままのために懸命に復興努力をする。
だからと言って神が何かをお返ししてくれるわけではない。

復興努力をすることで、神さまと近しい関係になるような気がする。
気がすることが重要。若い人たちはこれをパワーをもらったという。

神仏のご加護! それは大きな力で見守ってくれているということだ。
たくさんお賽銭を出しても、ご利益があるとは限らない。

人間、何かにすがっていなければ、生きていけないのだ。
神さまというのは人間が作り出した最高の精神的支柱なのだろう。
ぶっ壊れた社殿を見て、私は神を感じた。
すでに修復が済んだ建物 2023年秋に修復完成予定

       阿蘇神社:上宮
阿蘇山はまだまだ活発な活動をしている。
この荒々しさを鎮めてくれるのは神さましかいない。
当然神様がここに発生する。
あるとき自然神が名前のある神にかえられる。
阿蘇五岳:熊本空港へ降りる前 まだ噴気が上がっている
山上に阿蘇神社上宮がある 火口に緑色湖が沸騰
2023年 裏手に古い建物 2023年 ガスが濃くマスク必要

時々噴煙を上げるが今は阿蘇山上に上がることはできる。
噴火口に近い場所に阿蘇神社の上社がある。
ここにもお参りをしなければいけないだろうと上がってみた。
直線上に配置
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