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■ 2015年 70歳を記念して 四国お遍路に出ました。お遍路道を全部歩くと1200キロもあります。
とても一回では歩ききれないので2年間かけて、10回ぐらいに分けて歩く計画を作りました。

今回は第1回目で、第1番霊山寺から第19番立江寺まで、ほぼ100qを歩きました。
奥さんにとっては7日間も歩きとおしたことはなく、不安だったようですが、
最難関の第12番焼山寺までの遍路ころがし越えて、自信がついたようです。

お遍路と言っても、律義に寺だけをまわるのではなく、興味のある場所に
寄り道しながらのハイキングなので距離と時間がかかります。
装束は輪袈裟だけで、リュックを担いだハイキングスタイルです。


◆今回のコースは
1日目 3月27日(金)晴 第1番霊山寺(りょうぜん):阿波一宮大麻比古神社:第2番極楽寺:第3番金泉寺
2日目 3月28日(土)晴 第4番大日寺:第5番地蔵寺:第6番安楽寺:第7番十楽寺:第8番熊谷寺(くまだに)
3日目 3月29日(日)雨 第9番法輪寺:第10番切幡寺
4日目 3月30日(月)晴 第11番 第12番焼山寺
5日目 3月31日(火)晴 玉が田尾峠
6日目 4月01日(水)曇 第13番大日寺:第14番常楽寺:第15番国分寺:第16番観音寺:第17番井戸寺
7日目 4月02日(木)晴 第18番恩山寺:第19番立江寺
8日目 4月03日(金)雨 帰京




 ■東京から新幹線で岡山まで。徳島行特急で坂野乗換えで坂東駅で下車した。
距離は遠いが、一番霊山寺に到着するのはこれが一番早い。
値段は多少高いが、我々には「ジパング倶楽部」3割引きがある。

13時には歩き始めることができた。坂東駅には第1番霊山寺下車駅とあるが、
本当はお遍路さんは談議所というところから出発すべきのようだ。
ガイドブックなどには何も書いていない。まあこの駅から初めて問題はないだろう。

霊山寺にはたくさんの人がいる。ほとんど全部観光バス、
ときどき自家用車。歩きの人はごくわずかだった。


第1番 霊山寺

 第1番 霊山寺(りょうぜんじ) 輪袈裟と袖なし白衣を買った

■坂東駅を1時15分に出発。いよいよお遍路さん旅立ち。
3人の白装束のお遍路さんが降りたが、先に行ってしまった。
本日は3か所をめぐる予定なので、焦る必要はないが、いい地図がないのでこの先どうなっているか、
ちょっと心配だ。しかし道標は完備しているので、すぐに辿りつける。
道標を見ると出発点は、談合所からになっている。

よく見るとお遍路道ではなく「四国の道」(国土交通省設置)。
遍路道と一致しているところもあるが、そうでないところもある。けっこう紛らわしい。
お役所の縄張りの違いらしいが、もうちょっと親切にしてほしい。

いよいよスタート地点に立った 「りょうせんじ」と読む
輪袈裟だけで、ハイキングスタイル   門を入って右手にある大師堂!

■ 門をくぐってすぐ右に大師堂がある。
たくさんの人が並んでいるので、私たちも並んだら、
ガイドさんが「先に本堂にお参りしてからです。」
 と教えてくれた。

新参者は礼儀を知らなくて申し訳ない。
白装束は死に装束という。好みではないので、
ハイキングスタイルで行こうと思っている。

本堂にお参りしてから大師堂に行き、
納経所に行くが、これが大変。

バス遍路の人たちが大勢並んでいる。
ガイドさんは「40分はかかる!」という。

なので御朱印はパスして先に進むことにした。
 

四国札所第一番 霊山寺 霊山寺の本堂の天井画

阿波の一宮 大麻比古神社

■道標は霊山寺の裏側を指している。それに沿って歩いて行くと、
高速道路の先にとてつもなく大きな赤い鳥居が見えてきた。
そばによると
「阿波の一宮」とある。一宮巡拝を続けている身としては意外だった。
なぜなら阿波の一宮は、国府の一宮町にあるとばかり思っていたからだ。
今回はお遍路が主なので、つい見落としていたらしい。でも新しい発見があったので満足した。

家に戻って調べると、忌部氏の奉じる神である天日鷲命を祀っており、
千葉県の安房神社も同じ神を祀っていると言う。同じ神社に異種の猿田彦も祀られている。
まあよくわからないけど、なかなか美しく由緒ありそうな神社だった。寄り道をして大成功。

■境内は今桜が満開。第一次大戦の時の
ドイツ人の捕虜収容所があった。
ドイツ人の作った石造りの眼鏡橋が残っている。近くにはドイツ館もある。
高速道路の橋を見て「眼鏡橋」だ、と言う人がいた。
ドイツ人の眼鏡橋を模したもので、オリジナルではない。
ここの狛犬さんはなかなかユニーク。ちょっと怖い。


 阿波一宮 大麻比古神社  大麻比古神社 本殿
 ドイツ人の作った 眼鏡橋 ちょっと不細工な狛犬


第2番 極楽寺

■第1番霊山寺から第2番極楽寺までは県道を行けばわずか1キロほどの道である。しかし我々は阿波の一宮に寄り道をしていたので、下の地図にあるような遠回りをした。おかげで阿波一宮、ドイツ村など新しい発見があった。寄り道はするもんだ!

県道わきのお店の奥さんが「私は板橋から嫁に来たんです!」と話してくれた。のんびり歩き旅はいろいろな話題が出てくるので、なかなか先に進めない。極楽寺は道路わき、立派な山門がある。門の前で写真を撮る。本堂は石段の上。その登り口に大きな仏足石があった。仏さんの足はこんなに大きいのか??

1番から3番までの地図 寄り道 ドイツ館
第2番 極楽寺 第2番 仏足石 でかい
本堂:石段上のある  大師堂:お小僧さんがいる 

第3番 金泉寺

■第2番から3キロほどで第3番へ。途中に諏訪神社などいい神社があり、高い石段をのぼって景色を眺める。線路と平行した道で、阿波川端駅が見える。

■やっとお遍路らしい道が出てくる。しかしそこを歩くと金泉寺の横っちょに出た。本堂に行くには本道を行かなければならない。裏から入ると目の前に倶利伽羅不動(くりからふどう)が現れた。これはすばらしい。先日富山県の倶利伽羅峠へ行ってきたばかりだった。さらに背後には立派な多宝塔がある。

■この寺には弘法大師の井戸がある。水面に自分の姿が映らなければ2年以内に死ぬそうだ。のぞけば水面に顔が映るのはあたりまえ。金泉寺も天正年間(1582年)に長宗我部軍によって焼かれた。
第2番の極楽寺も同じ時に焼かれたそうだ。このあたり長曽我部氏には恨みがあるようだ。


 途中にあった諏訪神社 石段がきつい  阿波川端駅 無人駅
倶利伽羅不動:剣がすばらしい  多宝塔 
第3番 金泉寺   弘法大師の井戸:顔が映らないと!
本堂  大師堂 

これで本日は終了。第3番金泉寺から板野駅に戻り、徳島駅前のホテル泊まり。
お遍路では、どこに泊まるかが大問題である。原則は寺の宿坊がいいのだが、
ちょうどいいところにあるとは限らない。それなら野宿?? 奥さんが許してくれない。

第3番にいたおじさんが「歩き遍路はホームレスだよ。このあたりに来ないでほしい」
と我々に苦情を言った。地元民はみなお接待をしてくれるものと思っていたが、嫌がっている人もいるのだ。

明日は列車で板野駅まで戻ってきて、再スタートの予定。
本日はそれでも8キロは歩いた。歩行時間は3時間半。
明日からの長丁場! いいウォーミングアップになった。

  ▼板東駅から
第1番 霊山寺 りょうぜんじ 1622歩
大麻比古神社 おおあさひこじんじゃ 2548歩
第2番 極楽寺 ごくらくじ 5900歩
第3番 金泉寺 こんせんじ 4542歩
板野駅 1878歩
合計 16490歩
直線上に配置
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