どアホノミクスの断末魔

 きのうもう一冊買った。すごいネーミングの角川新書だ。著者は浜矩子(はまのりこ)同志社大学教授。もちろん「アベノミクス」の批判本だが、すでに『脱アホノミクスのすすめ』2015年、『アホノミクス完全崩壊に備えよ』2016年が出されており、アホノミクス三部作として最終版だそうだ。

最近森友、加計のもり、かけ問題の影響で、「アベノミクス」という言葉はほとんど聞かなくなった。浜先生によるともうとっくにアベノミクスは失敗しているので安倍さんは口にできないのだそうだ。苦し紛れにアベノミクスとはまったく反対の分配志向、働き方改革という口当たりのいいことを叫び始めたが、だまされてはいけない。今まではアベノミクスで経済発展させて分配をはかるということだったが、経済が行き詰っているので結果だけ先に言い始めたが、そんなことできるはずはない。

働き方改革では、過労死ガイドラインまでは働かせることができるということ、同一労働、同一賃金は同一をどう判断するかは資本家のさじ加減しだいだそうだ。家で子育てをしながらでも働くというのにはIoTを駆使してGPS付の国民総背番号(マイナンバー)で管理するれば、いま社員はどこで何をしているかがすぐわかる。要は四六時中監視社会ということになる。共謀罪はその先駆けという意図がありありだそうだ。

そこでIoTの生みの親である坂村健さんの『IoTとは何か』(角川新書)を買ってきた。坂村さんは「どこでもコンピュータ」の提唱者で、すでに多くの分野で成功し世界的名声を上げている。IoTとは「Internet of Things」(モノのインターネット)だが、すでに「もの」ではなく「ひと」にも使われ始めている。東京オリンピックでテロリストに狙われたら大変と、顔認証や防犯カメラ設置など急ピッチで進められている。各人にマイナンバーを持たせれば、防犯カメラに映った誰それはすぐに特定でき、犯罪歴だけでなく借金や病歴などもすぐわかる。

アホノミクスの先行は人々を四六時中管理して効率よく働かせ生産性を向上させるという構想になっている。ちょうど「トランプおやじ」が出てきて、アメリカファーストなどと言って引きこもりを始めたので、日本は自前の武器で自国を守るという名目ができた。それをもってアメリカの代わりに世界の盟主になろうとしているのが「アホノミクスの大将」ではないかと浜さんは言っている。

さてさて我々はどうしたらいいのだろうか。マイナンバーなんかに登録してはいけないな。外出はいつもサングラスにマスク、帽子だな。スマホの位置情報は切るにしておかなければ。でも無駄な抵抗になりそうだ。都議会選挙が一つの試金石だな。決められない知事というが、今の時代「決めない知事」の方がいいかもしれない。

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