伊勢と三輪の神の故郷を、神さまの気分になって旅をしてきた。西洋では絶対的な神が生まれたが、アジアの国々では自然神が八百万も存在し新しい神も続々と生まれた。全国に数多くある天神社は菅原道真を神に見立てて祀っている。近いところでは明治の軍神を祭った乃木神社や東郷神社もある。明治神宮も明治天皇を神さまにした神社である。
三輪山に祭られている大物主神、大国主神、少彦名神もモデルがあるのかもしれない。さらに天照大神ももしかするとヒミコをモデルにして神さまに仕立てたのかもしれない。実在のモデルがある時には、その人物を「命」と書き表すことが多い。この後出てくる倭姫命(やまとひめのみこと)も実在の人だったのかもしれない。大国主神の場合も大国主命と書くことも多い。各地にいた大王さまはみな大国主命だったのかもしれない。
「三輪の神紀行」の頃? の大和盆地は様々な勢力が相争っている場所だった。勝ち残った勢力が作った物語が「古事記」であり、そこに出てくる神々はそれぞれの勢力の主だった人を神格化していった。今回「三輪の神紀行」で仕入れた大和盆地の出来事を一覧表にしてみた。
「なにこれ? そんな勝手なことを言って!」
と言われるだろう。創作部分もいくつかあるが、これが私のまとめである。
最終章は天照大神の伊勢への旅である。神さまの後を追跡してみよう。
{図の説明:大和の三輪山には出雲や石見の勢力がやって来て土着した。いわゆる大物主神の系統の人々である。九州から天照大神を奉じる神武天皇、崇神天皇が来て、大国主神系にとってかわった。しかし崇神天皇のときに疫病のパンデミックがあり、日巫女がそれを納めた。天照系の人々は大和を追われた。九州にいた天照系の神功皇后が大和に戻り台与(トヨ)として日巫女の後を継いだ。トヨの息子が応神天皇として大和を支配した。応神天皇は八幡神として祭られ、天照大神は倭姫命に連れられて伊勢に移った。}