八栗ケーブル線(香川県)

ここも日本のケーブルカーの歴史と一緒で
1926年(大正15年)に八栗登山電鉄に対し鉄道免許状下付され、
1931年(昭和6年)2月 八栗登山鉄道が現在の場所で開業した。しかし
1944年(昭和19年)2月に不要不急線とされて、資材を供出することになった。この年日本のすべてのケーブル線(鋼索鉄道)はお国の政策により廃止になった。

1964(昭和39)年12月28日 八栗登山鉄道の線路敷を買い取ってに開通したのが八栗ケーブル(現在は四国ケーブル)だ。
2015年には50周年の記念行事があったという。
四国ケーブルによれがこれまでの乗客数は延べ約2100万人に達するという。

現在使っている車両は東京オリンピックの年に開通した新幹線風だ。日立製作所製の車両は当時は最先端だったが、今見るとレトロカーとして風合いがある。当時伊香保ケーブル(  廃業)六甲ケーブル(新型車両)も同じ形だったという。

私は遍路旅の途中でこのケーブルに乗った。第一番霊山寺から1200㎞も歩いきてきた。途中四国ケーブルが経営する「雲辺寺ロープウェー」「太龍寺ロープウェー」があったが乗らずに歩いた。しかしここ八栗は空中をいくロープウェーではなく、地を這うケーブルカーである。これに乗るのは抵抗はなかった。

さらに以前来た時に屋島ケーブルは見ていたのに乗らなかった。今回きたらそのケーブルカーは廃止されていた。今の時代鉄道はいつ廃止になるかわからない。廃屋になった屋島ケーブルの山上駅を見たら、「乗っとくんだったなぁ」と後悔した。八栗ケーブルでは後悔なきように喜んで乗りビデオをも撮った。

高低差は167m 路線は0.7㎞ 軌間は1067㎜のJR線と同じである。鉄道乗り入れがあるわけではないので、どんな広さでも変わらないはずだが、日本のほとんどのケーブルカーはこの軌間になっている。上までは4分間。女性の車掌さんが運転席に座っている。車掌さんは上の駅では改札係兼売店の売り子さんもやっている。


驚いたことがあった。駅を出たら鳥居がある。八栗寺は真言宗の寺だから、当然仁王門に出迎えられるかと思っていたが、神仏習合の名残で神さま要素も多く狛犬も数匹見守っていた。本堂のわきにある聖天様が人気で高く遠来の客が多い。正月、縁日などにはケーブルカーは早朝から運航してしている。

屋島ケーブルと違ってこちらにはドライブウェーなどの道路がない。なので歩くのがきつい参拝者はケーブルに乗るしかない。今のところ道路予定はないそうだから、お遍路さん、お参りの方々が途絶えなければ、このケーブルは存続していくだろう。私にとってはうれしいことだ。

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