春は名のみの 風の寒さや

春は名のみの 風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声も立てず

4月11日、小池都知事は非常事態宣言の後の政府とのゴタゴタを終息させ、「都知事の権限は取締役社長かと思ったが、天の声がいろいろ聞こえて中間管理職になったと感じた」とコメントした。昔田中真紀子外務大臣が「誰かが(小泉首相?)スカートの裾を踏んでいるので前に行けない」というのと同じで、権限を与えておきながら裏からコソコソと手をまわしているのが小泉、安倍政権である。

 安倍政権は新型コロナ対策を経済対策と勘違いしている。西村経済再生相をトップに据えていることで分かる。新型コロナ対策の司令塔は厚生労働大臣のはず。いったい誰だっけ、どこへ行ってしまったのか?

小池都知事は命を守るために非常事態宣言したと言っている。安倍首相も非常事態宣言で接触を8割を減らせば命が守れると言った。しかしおひざ元の二階幹事長は「できるわけなあいだろう」という。安倍首相が「108兆円規模の財政を出動する」と言えば、麻生財務相は「政府が補償をする気はない!」という。結果として実現したのは460億円かけて各戸にマスク2枚を配るというだけ。安倍首相はまったくリーダー能力がないし、周囲からもなめている。自業自得。

みんなが懸命に働いている最中、安倍首相が自宅で犬を抱っこして、「みんな外出しないように」と呼びかける動画がNHKで流れた。今の時期外で働くのは命がけである。首相も先頭に立って命がけで働いてほしい。なのに私邸でのんびり犬と遊びながら呼びかけている。イギリスの首相はコロナにかかって入院している。ドイツのメルケル首相は自分の生い立ちを語りながら外出制限を要望している。我が首相は何を考えて、わざわざ反発を買うようなことをするのだろう。NHKも「殿ご乱心を!」「いくら何でもこれは放送できません!」と止めるのが公共放送の役目だろう。

「こんな非常時に文句ばかり言わないで政府に協力して命を守ろう」と言う。しかしリーダーが自分はぬくぬくして、「みんな頑張れ!」とはなんだ。非常時には最前線に立って引っ張って行くのがリーダーだろう。あのトランプ大統領でさえ、常にテレビに出て説明している(間違っているが)。「まともな言葉」を発しなければ、だれもついてこない。この非常時、いまの首相は信頼できない。「みんな自分で自分の命を守ろう」しかない。

政府は経済再生のためではなく、コロナ対策として各人に補償することをセットにしなければならない。「善意で自粛!」と言われても生活が成り立たなければできないだろう。ともかく早く、名目は何でもいい、国会議員の歳費を8割減らせばその資金も出るだろう。はやく支援をしなければ、新型コロナ関連死者もでてくる。

年寄りは余計なこと言わずに引っ込んでいろと言われるだろうが、国会議員が若者たち(60歳以下)を悪者にしているのを見ていられない。年金生活者や国会議員は、彼ら若者の働きによって支えられているということを改めて考えよう。彼らに「自粛して営業をしないように」というなら、年金や国会議員の歳費も減らすこととセットしなければいけない。

それにしても、鴬でさえ「時」を察知して声も立てないでいるのに、日本の首相夫妻は「時」をなにも感じていないことに寒気を覚える。まだ春は来そうにもない。

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