楕円の哲学:菅政権への期待

先日FBで安倍総理が辞任したことが安倍政権最大の功績と書いた。その後菅内閣が誕生した。麻生さんは「かん」総理と言っている。マスコミは間違えたというがたぶんわざとだろう。しかしそんな意地悪ジイサンを再任させたというのは断末魔の「アベノミクス」の責任をとれという菅さんの意地だろう。第5次安倍内閣と揶揄する向きもあるが、菅総理は安倍元総理よりも遥かに優れていると私はみている。支持率60%以上もあるというのはダメ安倍を脱却して、まともな政治にしてくれるだろうという期待だろう。

組閣わずか2日で安倍政権というか日本の最大の弱点だったデジタル化を一挙に進めようという意欲がよく見える。新型コロナで表面化した弱点、例えばPCR検査は手書きFAX送信、在宅勤務なのにハンコ行政、10万給付は手作業、マスク調達に何百億円などなど。韓国、台湾などでもIT大臣が迅速に作業をこなしているのを菅さんは指をくわえて見ていたのだろう。日本のIT大臣はハンコ連盟の会長のジイサンだった。作業が進むわけはない。ここ一点を突破してデジタル先進国の仲間入りをしようというのだろう。いつまでも桜、モリカケなんかに構っていられるか、ということだろう。

私もモリカケ、桜はもう司法の手にゆだねた方がいいと思う。国会での優先論議は安定社会の構築にあるだろう。誰がやっても難しいが、少なくとも安倍総理の失敗を見ているので菅総理の方がうまくやるだろうことは期待できそうだ。デジタル化の第一はマイナンバーだという。国民皆にナンバーをふって住民票、銀行口座、税金データを紐付けておけば10万円給付など即日にできる。位置情報は逐一わかるから夜の街で飲食していることもすぐわかる。災害時にはすぐに救助に向かえる。何よりもこれがあれば税金逃れができない。ローン破綻しそうな人には警告もできる。

マイナンバーで国民を管理すればコロナ禍でも迅速に隔離、治療ができ社会的な不安を除くことができる。怪しい人はみな隔離してしまえば犯罪はほとんど起きない。みんなが協力して全員がマイナンバー登録すれば理想的な社会になる。菅政府はこれを目指しているのだろう。ヨーロッパの国はほとんどこのシステムができている。もっとも徹底的にやられているのは中国だろう。あれだけとんでもないパンデミックを発生させた武漢はもう平常に戻っている。あの国のことだからまだ隠蔽があるだろうが、対応が速く徹底的であったことは確かだ。

2年前に上海に数回に渡って旅行をした。まったくもって現金決済のない社会だった。何をやるのもスマホ操作で済んだ。スマホが使えない人はどうするのか質問したら、そんな人はいないとのこと。町に年寄りはいなかった。スマホの使えない老人は田舎に放り出されるらしい。スマホがなければ家から出ることはできない。町で同じような年齢の人がいないので、私は電車やバスではいつも席を譲られた。町中には路上生活者もいなかった。田舎に行った時に物乞いがいたが、彼らもQRコードを持っていた。日本に帰ってからコロナ禍の上海にいる知人が知らせてくれた。「あなたが昨日乗った地下鉄にコロナの陽性者がいたので、今日から会社には行かず2週間自宅待機するように」という警告がスマホに送られれきたそうだ。翌日から家にいないと再び警告が来るという。全員の位置情報が把握されているので、謹慎しているかわかっているのだ。スマホなしで出かけたら、電車にも乗れない、お店で買い物にもいけないから、言いつけを守るしかない。現地の人たちは「中国は世界で一番安全な街だよ」という。現地に住む日本人も「政府に反対さえしなければ世界で一番自由で安全な場所です」という。

菅さんだけじゃなく、政治家は自分の命令は国家のために良かれと思ってやっていると思っている。自分の言うことを聞かない人は不利になるが言うことを聞く人は施しがいくらでも得られるよ!安倍総理は中途半端なまま国家の私物化をしたのでいろいろぼろが出て嘘つきになったが、菅さんはそれをよく見ていた。デジタル化を一気に進めて政府が一元的に国民を管理できるようにする。そうすれば政府は国民の顔いろをうかわなくても計画的に政策を勧めることができる。国民は健康不安や犯罪不安も消え、税金の不公平感もなくなる。これで国民も政府もウィンウィンの生活になる。すばらしいじゃないか。???

日本中に監視カメラがあり車にはドライブレコーダーがついているので犯罪者はなかなか逃れることができない。昔は多くの人がプライバシーの侵害と批判的だったが、今はみなありがたがる。マイナンバーも今は反対者が多いがコロナ禍で一気に保持率が上がるだろう。私も外国資本のLINEやFB、ペイペイなどよりも日本政府の方を信用したい。しかしみんながウィンウィンになるというのは、「いつもニコニコ現金払い!」で生きてきた人間としては信用できない。私はスマホを持っており大いに活用はしているが、お金の支払いはプリペイドの Suica だけだ。

先日免許証の書き換えの前に行う高齢者認知試験をうけてショックをうけた。76点以上が合格なのだが自信を持っていた私は78点で本当にすれすれで合格。これじゃもう運転はできないとあきらめたところだ。我々年寄りはスマホ決済では騙されること必定である。私はマイナンバーが法律で必要になっても、しばらくは様子を見ることにする。その間に命も消滅するので、結局はマイナンバーの恩恵は受けることはないだろうが。

社会は徹底すればいいというものではない。中国のようになったら、小さな自由と安全は得ることができるかもしれない。しかし自分の分身(プライバシー)を人質に取られた中での自由というのはいったいなんだ。それは不自由、また分身がいつ抹殺されるかもしれない恐怖、それは安全とは言えない。私の思いは、高速道路のETC方式だ。あれだけ旗振りをしたが、いまだにETCカードを持っていない人たちがいる。全員ETCにすれば効率はいいが、まあ何%かはそのシステムに入らない。徹底しないのは政府にとっては不都合だろうが、我々にとっては好都合。

社会というの一か八かではなく、適度なところで均衡を保つということが必要なのだろう。最近亡くなったKさんが「楕円の哲学」という文章を書いてくれた。中心が一つの円周は1つしかない。楕円は中心F(焦点)が二つあるので円周はいくつも描ける。その楕円の焦点F点と円周の点Pをバランスよく動かすのが政治である、と言う。まさに菅さんに知らせたい言葉だった。

 

楕円の哲学:菅政権への期待” への1件のコメント

  1. 久しぶりにじゅうくりと読ませて頂きました、色々の事をお知りになられ、さすが博学多才、スマホになって、どこでも読めるので空っぽの頭に少しでも入れたいわ、
    (すさき梅雨)

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