太陽面大爆発 磁気嵐!

ボイジャーは太陽系の彼方まで行った!

11月5日(水)

11月も、もう5日たった。先月28日の太陽面の大爆発は、まだ引き続き起こっているようだ。爆発で吹き飛んだ磁気を帯びた微粒子(太陽風)は、ほぼ19時間で地球に到達する。そして地球大気の上空で磁気嵐を引き起こす。アメリカの気象庁であるNOAAは磁気嵐の強さをG1~G5の5段階に分類しているが、今回はG5という。これまでにG5級の磁気嵐は5回観測されているが、今回のように地球を直撃するものは珍しいそうだ。

 磁気嵐の影響で、北海道や本州の一部でオーロラが観測された。オーロラの出現はロマンをかき立てるのか、そればかりが今回の太陽フレアの話題になっているが、今回の爆発の影響はかなり大きく、深刻に考えなければならないできごとなのだ。

 例えば 昨年12月に打ち上げられた国産衛星「みどり2号」は、磁気嵐の直撃をうけ機能が停止した。約820億円もする衛星だったのにほとんど成果もないままに宇宙のゴミになってしまった。太陽観測衛星「SOHO」も画像送信を停止。データ中継衛星「こだま」も一時的に機能を停止した。 インターネットの時代、通信衛星がダウンしたら大混乱になる。我が家のADSLの不調も磁気嵐のせいかと勘ぐってしまう。

 話は大きく変化するが、1977年に打ち上げられたボイジャー1号と2号が、26年間かかって、ついに太陽系の果てまで到着したというニュースが載っていた。太陽系の果てというのは、太陽風の届く限界だという。すなわち今回太陽面で起こった爆発で吹き飛んだ微粒子は130億km彼方まで飛んでいくのだ。

 もうひとつついでに言っておくと、この太陽風は地球の磁場に跳ね返されるので、我々の身体に直接被害を与えることはない。しかし地球磁場は地球の歴史ではしばしばN極とS極が逆転する。NとSが逆になるのに要する時間は短いが、その間しばらくの間地球磁場が消滅する。そのときには太陽風はモロに地表に降りかかる。そうなったら人間なんてあっという間に絶滅してしまうのだ。

 恐竜絶滅は巨大隕石の落下が原因とされているが、その他にも生物絶滅はしばしば起こっている。その原因は地球磁場の逆転の間に、太陽からの有害微粒子に直撃されたためと考えられている。いま我々は地球磁場によって守られているが、いつ何時地球磁場が消えるかも知れない。そんなこと考えたって、どうにもならないよと言われるかもしれない。

しかしノー天気に「ワーイ、オーロラがでたぞ」なんて喜ぶだけでなく、我々は結構危ない所に生活しているのだという危機的な状況認識も少しは必要だろう。

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