師走に入ったというのにけっこう暖かい。各地のスキー場は雪がないし、人工降雪機も温度が高いので使えないようだ。気象庁は強いスーパーエルニーニョが起こっているので、今年の冬は暖冬だろうと言っている。確かにインドネシア、フィリッピンなど太平洋の西側にある国々は乾燥が続いており、山火事が発生しているという。
この時期、南米ペルー沖の海水は南極からの冷たい海流が覆うために低温になっていることが多い。海が冷たいと下降気流ができ、その周辺は乾燥する。ペールーの海岸に砂漠が広がるのはそのせいだ。冷たい海流(日本付近では親潮)にはプランクトンが豊富で魚が多く住む。ペルー沖ではアンチョビ(カタクチイワシ)がたくさんとれるが、冷たい海流がなくなると不漁になり、漁師たちは暇になる。冷たい海流がなくなる⇒不漁になる⇒漁師は休暇がもらえる⇒クリスマス休暇⇒神の子(エルニーニョ)がくれた休暇だ。でも資本家は困る。
今年はペールー沖の海水温は高く、反対にいつも高いフィリッピンやインドネシア周辺の海水温は低い。そのために下降気流が起きて、熱帯多雨地域が乾燥化している。これらの国からすれば大変なこと。熱帯雨林で山火事が起こり、その煙はシンガポールまで流れてきている。北京のスモッグよりもひどいという話を直接聞いた。こりゃ大変。
エルニーニョの影響で日本は暖冬で少雨になるという。たしかに11月は記録的な高温だったし、12月に入ってもまだ温かい。しかしエルニーニョが原因なのかは、本当のところはわかっていない。フィリピン海あたりは海水温が低いといっているのに、それを運んでくる黒潮の水温は例年よりも高い感じ。単純にエルニーニョが起きたら日本は暖冬とは言えない。急に寒くなって大雪になるかもしれないし。
・・・・・結局何だというのだ。・・・・・スーパーコンピューター「京」を使っても、1ケ月先の気象現象は解明できないというのが結論。長期予報は動植物の予知能力、漁師や農家の古老の知恵に及んでいないということを知っておくべきだろう。