閉会式というのは、戦いを終えた若者がお互いの健闘をたたえながらのセレモニーで、すがすがしい。もりあげの演出はその国ならではのことで楽しめた。最終日のマラソンの表彰式もあった。二位のエチオピアの選手のゴール時の寂しそうな姿が気になっていた。エチオピアも内戦寸前の状況で、国に残した家族が連れ去られているのだそうだ。そんな状況の中でもオリンピックで戦っている人たちもいるのだ。ノー天気に史上最高のメダル数だと浮かれてばかしいられないと思った。
昔過ごしたことのあるトルコはしばらくは安定していたが、ここのところきな臭い。外のISだけではなく、クーデター騒ぎで国内の反対派を弾圧する状況になっている。今の首相大統領は、近代トルコの象徴だった世俗主義を捨てているように見える。トルコもイスラム国家に逆戻りしつつあるのか? 宗教と組んだ政権はしばしば独裁に走る。政権側の人間にとってはいいのだが、少数派は徹底的に打ちのめされる。東京とオリンピック開催を争ったが、惜しいことをした。もしオリンピック開催地になっていたら、クーデターなど起きなかっただろうに。
こんどのオリンピックで世界の状況はかなり悪いことが知らされた。しかしオリンピックの役員や選手たちはスポーツを通して平和を希求している。スポーツに国境はない! スポーツに政治や宗教は持ち込ませない。と言っている。ブラジルの大統領は追放されているので大会には出てこられなかった。大統領などいないほうがうまくいくということをブラジル国民は言っていた。今回各国の大物政治家は誰もいなかった。
ところが突然日本の首相がちゃらちゃらと出てきた。小池都知事だけにいい思いをさせてなるかというのがミエミエだ。せっかくのスポーツの祭典に水を差した。それだけじゃない、いま日本ではオリンピックにお金をかけないようにするとみな頑張っている。都議会の議員たちも視察を取りやめた。小池さんもビジネスクラスで随行員もごく少数にした。
しかし安倍さんは豪勢に政府専用機を出した。どのぐらいの費用がかかるのか。安倍さんがパフォーマンスをやりたいだけじゃないか。行ってもいいけど、政治資金やオリンピック費用を使うのはやめてくれ。スポーツを政治的に利用するなどやめてくれ。スーパーマリオをやるなら北島康介の方がよく似合う。国会がはじまったら追及してもらいたいものだ。
一国の首相があんまりちゃらちゃらしてはいけない。個人的な思いで小池さんに対抗しているようで見苦しい。そんなことに大事な国費を使わないでほしい。政府専用機に選手団を載せて帰ったら費用が浮くかも。