神田川の左岸は急な傾斜になっている。北側の斜面には冬に霜柱が多く立つことで、赤土の崖が崩れやすくなったことが原因だろう。こちら側の斜面には急な坂がある。一番急なのは都電と平行した「のぞき坂」でこれはたぶん東京都区内一の急坂だろう。目白不動のまえの「宿坂」も急だが、いずれも上にあがると目白通りで台地の上に上がるだけ。それらの坂と平行している「富士見坂」もかなりの急坂だ。坂の上の方で「目無し坂」と合流する。目無し坂は急すぎて上の方は階段になっている。私はいつも自転車で上がるのだが、ここは押し上げるしかない。富士見坂は狭くて急だがタクシーがどんどん入ってくる。その理由は上がり切ったところが目白通りと不忍通りでどちらにでも行くことができるし、護国寺方面に行く最短道路だからだ。
坂を上ったところから振り返ると新宿の高層ビル街が目の下の方に見える。富士見坂という名前から、富士が見えるはずだが、今はビル群で見えない。しかし反対側の「清戸坂」から上がってくると。眼前に富士山がバア―と見えたことだろう。富士は見えないが富士見峠とすることにした。
峠を降りて緩やかに清戸坂を下る。右手に日本女子大をみて、高速道路の先の護国寺を目指すと音羽通と不忍通りが交わる交差点につく。日大豊山高校、護国寺入り口がみえる。地下には有楽町線の護国寺駅にでる。