予想通り玄界灘に出ると風雨が強まった。夜が明けたころに目の前に島が見える。GPSの地図を見ると済州島だ。北西の風のため、高い山がある済州島を風よけにしているらしい。部屋から出ると吹き飛ばされそう。とても外に出る気にはならない。昼食には10人ぐらいしか出てこない。皆部屋で横になって我慢をしているようだ。
この船の乗客が少なくても貨物で採算が取れるそうだ。その中で特徴的なのは競走馬を運んでいることだ。日本人は4人しか載っていなかったが、その一人シイナさんは競走馬を運ぶ業を長年やってるという。美浦から4頭の競走馬を専用コンテナにいれて運んでいる。そんなことができる船はこの新鑑真号だけなのだそうだ。馬も酔うのでつきっきりでえさや水を与えている。もう一人の係員の中国人はベッドにもぐりこんだまま。日本人はよく働く!
もう一人の日本人は近江八幡出身の方。小さな子を含めた中国家族と一緒だ。日本の家は処分し、会社をたたんで中国に移住するために家財道具一式を積んでいるのだそうだ。中国のどこですか? と聞くと奥さんのふるさと雲南省の保山というところ。ミャンマーの国境に近い場所だ。一番近い街が大理で、そこまで200㎞あるという。日本の先行きは危ない。家族でのんびりとド田舎町で暮らすのだそうだ。ちなみに一番近い大理には日本人が四人住んでいるが、保山に住む日本人はまだいないとのこと。「なぜこんなところに日本人が?」の番組が目をつけそうだ。この後は橋の写真を8枚。これらの橋の上を何回も行き来した。瀬戸大橋は四国遍路のたびに通ったので生き返りで10回近くは通ったろう。しまなみ海道も海宝さんのマラソンで10回走った。しかし下から見るのは初めてだった。すごい大きさだ。よくこんなものを作った。これからはメンテナンスに時間もお金もかかるだろう。