狛犬行脚-06 狛犬のルーツはライオン?

二荒山神社の狛ライオン
1999年12月「日光の社寺」として世界遺産に登録された。それを記念して二荒山神社に一対の狛犬が奉納された。それが下の写真である。私はこれは狛犬ではない、ライオンじゃないかと思ったが、説明文を読むとちょっとだけ納得した。 先日中国の上海で見た狛犬?獅子像は日光のものと似ている。上のめずらしいライオン狛犬は中国の獅子、さらにインド、中近東の獅子像を参考にして現代に作られた「狛犬」なのだろう。たかが「狛犬」と言ってもなかなか奥深いのだ! 日光のライオン狛犬は阿吽にはなっていない。ところが上海の獅子はちゃんと阿吽になっている。あれ、常とは逆ではないか。阿吽狛犬は日本独特のものだからこの上海の獅子像は日本からの逆輸入かもしれない。ところで三越デパートの前にはライオン像がおかれていた。たぶん中国の商店の前に置かれる獅子像と同じ発想だっただろう。1914年に開業するにあたって英国トラファルガー広場に置かれた4頭のライオンをモデルに鋳造され、各地の支店にも置かれた。しかし近年廃業に伴いライオン像の保管が問題になった。池袋三越のライオンは浅草の三囲(みめぐり)神社に置かれている。この神社は稲荷神社であるが三井家の守護社にもなっている。社殿のまえにはライオン、狛犬、キツネが並んでおり、さらに奥の摂社には陶器製のちょっとかわいい狛犬がいる。ひとつの神社の中に、いくつもの狛犬がいる。伊勢神宮は庶民からの奉納は受け付けないので賽銭箱も狛犬なども全くない。しかし庶民は神様に何かの奉仕をしたいのが人情である。神社によっては狛犬だらけのものもある。三遊亭円丈さんはもちろん落語家だが、それ以外に狛犬の愛好家、分類者として有名だ。日本参道狛犬研究会(狛研・こまけん)の会長で、各地の狛犬情報を収集していた。残念なことに2021年に76歳で亡くなった。生前この狛犬を見て「立川談志狛犬」と呼んでいたそうだ。よく見ると似ているな!

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