阿形はメスで吽形はオス?
阿吽(あうん)は仏教用語で、始まりから終わりを意味している。一対の狛犬は向かって右が口を開けた阿形で左が口を閉じた吽形である。女に生まれた人は転生をし男となって往生するのだそうだ。江戸雑学に詳しい関根さんが「そりゃ女はアヘー(阿)で男はムムー(吽)だよ! 浮世絵に書いてあるよ」と教えてくれた。目黒不動の新しい狛犬であるがよく見ると左右どちらにも〇〇が付いているように見えるではないか。これは新しいので間違えたのではないかと他も確かめてみた。
函館八幡宮の狛犬である。やはり両方に〇〇が付いている。阿吽の両方ともオスである。大正11年の奉納であるから、もっと古いものは別々になっているかもしれない。これまで神社の狛犬の股間をしげしげと眺めるのは失礼にあたると思い控えてきた。しかし実際には〇〇が付いているのは多くはないが、あることはある。 靖国神社の正面の大きな狛犬も両方にちゃんとついていた。この狛犬は最初に出てきた目黒不動の新しい狛犬と同じであり、その大本は丹後半島の天橋立の先にある籠(この)神社の日本最古の狛犬をかたどったものである。
これは神武天皇が東征の際に立ち寄ったと言われる北九州岡田宮である。この狛犬の右側だけに〇〇が付いている。雌雄を意識したのだろう。阿形が女性と言う関根説とは違っているのだが・・・
これはCMで有名になった日が没する参道を持つ北九州宮地嶽神社である。片方だけしか写真がないが、これも阿形の狛犬に〇〇が付いている。阿形なのにオスである。ご存じ八坂神社の通りに面した場所にある獅子狛犬である。大勢の人が上がってくるのでしげしげとみるわけにはいかないが、両方に立派な〇〇が付いている。 前に載せたが、デパートのショーケースにあった現代的狛犬である。拡大してみると両方に〇〇が付いていることがわかる。
結論から言うと、獅子狛犬に雌雄はないようだ。関根説は江戸の特定の場所で使われたものだろう。しかしこれからもついいつものように狛犬の股間を覗くかも知れない。ちょっとまずいかな。