三重県の四日市からわずか5.7㎞の鉄道がある。「四日市あすなろう鉄道」と呼ばれる。線路の幅は762mm の軽便鉄道規格で、JR線の1067mmの狭軌規格よりもかなり狭い。元は近鉄の路線だったが、2015年から公有民営会社となり営業が開始された。 上の緑色の車両はつい先月から走りだした車両だ。昨年の発足時には青色の車両が1編成あったが、これで2編成になった。そのほかは右手にあるような古い車両だ。といってもこの新型車両も実は改造車で台車や運転席は昔のままで、内装や電気系統などが新しくなったそうだ。新車ではないが、乗っているおばちゃんたちは
「これは日永の新幹線よ!」
と嬉しそうだ。
私は四日市駅で一日券(550円)を買って、全駅制覇。と言っても支線の西日野駅を含めて全部で9駅。内部(うつべ)線だけだと15分で行くことができる。30分ごとに運行しているので、降りて次の駅まで歩くことができる。支線は八王子線と言うが、途中西日野までしか行っていない。西日野よりも先は昭和49年の天白川の堤防決壊により復旧不能になって廃線になった。どこかに線路跡が残るかと思って歩いたが、ほとんど何も見つからなかった。西日野駅が現在よりも北側だったこと以外は。追分駅でおりて東海道を少し四日市側に戻ると「日永の追分」がある。東海道と伊勢街道の分岐点である。東海道を何回も走ったがいつもここで休んでいた。大きな鳥居があるがこれは伊勢神宮の二の鳥居だ。(一の鳥居は桑名の七里の渡し)追分駅名は「日永の追分」が由来だ。
終点の内部駅では3編成の車両が休んでいた。この駅からクレーンに釣り上げられて大阪の工場に運ばれて改造されたそうだ。まだ新しい車両なので検査員の方が乗っており、誇らしげに説明してくれた。おばちゃんたちが新幹線という電子掲示板があるし、片側ひとつの座席も機能的だ。廃止が何回も考えられたが、生き残った。現在日本で営業している軽便鉄道はここと桑名駅からの三岐鉄道だけだ。沿線お皆さんがんばって。応援しています。