暗峠を降りてくると河内一宮の枚岡神社にでる。ここま元春日といわれ、奈良の春日神社のもとになったといわれる。本殿は4殿が並列している。向かって右側から第2殿、第1殿、第3殿、第4殿となっている。一番右の第2殿は比米を祭っているのだが、何姫さまだかよくわからない。
しかしまあ一宮だけあってなかなか格式も高くすがすがしい感じのする神社だ。お参りするのは今回で3回目かな。
ここから電車で二駅奈良のほうに向かって行くと石切という駅がある。この駅から参道を下がったところに大変おもしろい神社がある。今回は枚岡神社は素通りしてこちらに向かった。石切駅のすぐ先には生駒のトンネルがあるので、かなり海抜高度が高い。河内の町が見下ろせる場所だ。大昔は河内の土地は大きな入江だった。
日本の初代天皇神武は九州から軍勢を率いて大和を目指して進軍してきた。ところがここ大阪の地にやってきたらナガスネヒコに追い散らされ、天皇の兄が殺された。ナガスネヒコは、ニギハヤヒ命という高天原の神を押し立てて戦った。「あれれ、神武天皇は高天原の天照大神の子孫じゃなかったの? なのになぜ高天原のニギハヤヒと戦ったの?」これが大問題。古事記にもでてくる神さまだが、高天原の系図には全く出てこない。
もし本当にニギハヤヒが高天原の神なら、それを祀る神社がたくさんあってもおかしくないのだが、ここ石切剣箭神社以外、大きな神社はない。なんとなくあやしい感じの神社だが、けっこうパワーはすごい。一番のパワーは大阪のおばちゃん的なパワーで、ぐちゃぐちゃににぎわっている。「オデキ」の神様というが、多くの人々はいろいろな願いを込めて、拝殿前のお百度石をまわっている。土日などはラッシュアワーの駅のような感じで人々が一方方向に動いている。これは見ごたえがあり、自分もその中に加わりたくなる。
ともかくこんな感じの神社は東京付近にはちょっとない。大変興味深い神社だ。たぶんお参りの人はニギハヤヒが何者かは考えていないだろうが、わけのわからないパワーには圧倒される神社であることは確かだ。お参りしたら、何やら大阪的パワーが宿ったような感じになった。