【🐶全国狛犬100選🦁】014

宮城3 蔵王刈田峰神社の三種類の狛犬

  蔵王刈田嶺神社は蔵王山頂に奥宮があるが、遠苅田温泉にも里宮がある。里宮の拝殿前には3対の狛犬が並んでいる。蔵王町観光協会はこれら三種類の狛犬の解説をしている。それに沿ってみて見よう。

 一番奥、拝殿のすぐ前にいるのがこのこまいぬである。狛犬とはいうもののまるでカエルだ。この形の狛犬はまだモデルもない時代に石工の想像によってつくられたもので「はじめ狛犬」と言われている。狛犬は江戸時代の初期まで宮中の建物の中に置かれたもくぞうの小さなものだった。しかし力をつけてきた商人などが地元の石工に狛犬を作られせて神社などに奉納した。石工も依頼人も狛犬を見たことがなかったのでこんな形になったのではないか。

  二番目の狛犬は胸の筋肉が隆々としている。なんかとても威張っているようなので、私は威張り狛犬と言っているが通常は護国系の神社に入りために「護国型」などと呼ばれている。有名なのは靖国神社にいるのがそれである。

   一番手前にいるのが尻尾を高く掲げた狛犬で、出雲に多い形なので出雲構え型と言う。私は出雲威嚇型と呼んでいる。

   この写真が蔵王刈田嶺神社の里宮の拝殿で3対の異種の狛犬が居る 。蔵王スキー場は山形側にあるので、蔵王と言えば山形と私も思っていた。しかし吉野山から蔵王権現を勧請したのは火口湖の御釜の脇にある宮城県側の刈田岳である。蔵王山の名前を持つ山はなく刈田岳も蔵王連峰の一つである。明治時代以降刈田岳にあった社は「刈田嶺神社」となり、その後、遠刈田温泉におりてきて里宮となっている。

  狛犬学習にはいい教材だが、なぜここに集まっているのかわからない。しかし前回の塩竈神社の多数の狛犬のように、宮城県の大きな神社には複数の狛犬が奉納されて居る。おそらく海運などで潤った商人が大勢いたためではないだろうか。

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