インダスのほとりにあるドムカル下村は人口は150人ぐらい。上、中、下村全部で500人弱だという。下村の平地はごくせまい。そこへ流れ下るドムカル側は狭い渓谷なので、残りの人はどこに住んでいるのか不思議だった。しかしせまい谷を登っていく(もちろん車で)と茶色の世界に突然ポプラの森が出てくる。谷が大きく曲がっている場所に小さな段丘がありその上に本流からのかんがい用水を引いて耕作地ができている。アンズの実が沢山なっているのを勝手に取って食べる。村長さんの家に招待され、バター茶をいただく。3軒回ったら、おなかがチャポチャポになったので、あとは招待を断った。村は大麦の収穫で忙しい。アプリコットと大麦、小麦ぐらいしかない。野菜はジャガイモの他はほとんどないが、仲間の一人がどこからかカブとブロッコリーを手に入れてきた。浅漬けのもとに入れて、みなさんに振舞われた。久々の新鮮野菜。ちょっと上に散歩に行くと見慣れない家畜がこっちを見ている。「ゾ」というらしい。ヤクと牛のハイブリッド動物だ。ヤクの雄と牛の雌の雑種で、雄を「ゾ」といい雌を「ゾモ」という。ゾモは交配可能だが、ゾは一代限り。このゾモは子ども2頭を連れていた。子ゾか子ゾモかはわからなかった。