お茶水女子大で講演会を聴く

ブラリバークラブの散策会の予定だったが、向後さんが講演をなさるというので、皆さんを誘って聴きに行った。ブラリバーメンバーは13人、他には地平線仲間のMIYAMOTO,KASORI,OKAMURA,NOJOさんら、北海道からMIZUKOSHIさん,沖縄からはBABAさん,さる国の大使さん・・など高名な方々が来ておられた。161203mr-kogo  演題は「冒険の心、そして人生」。奥さまのタイムキーパーで、いつもとは違ってほぼかっきり時間で内容の濃い話を聴かせていただいた。「聞く」ではなく「聴く」にふさわしい内容だった。ブラリバメンバーは世界的なマングローブの専門家だということは知っていたが、こんなすごい方だったということを知って驚いたようだ。こんなすごい人と私が親しいということを知って、みなさん少しは私を見直してくれたかな。
昔から「虎の威を借りる」のが私の特技だった。勝手に親しくさせていただいて、KOGOさんごめんなさい。13人のみなさんには「解散」というのも忘れてしまった。なんとなくばらばらに帰ることになって、すみませんでした。161203venus1  いい時間を過ごした。終了後はもう暗くなっていた。お茶大のイチョウの並木の間に金星がくっきり姿を見せていた。きれいな写真も撮れて、幸せな日だった。

みわ塾 淡きくれない

2月25日(水)
久々の「みわ塾」の日。今日も昼の部に18人。夜の部に13人が来てくれた。いつものメンバーに加えて若者も数人来てくれた。おもしろかったのは親子の参加者が数組いたこと。親子断絶を心配する風潮もあるが、こんな例もいくつもあるのだ。

今回のテーマ「人類の未来」で「3世代同居」を人類の未来を明るくするヒントだとのべた。  ジジ、ババとの会話は重要なのだ。もう一つは「自然には神が宿る」、森の木それぞれに何やら霊力があるというのもだ。最近はこの話をあちこちでしており、もしかすると「みわ塾」はあやしい宗教団体ではないかと思われている。実は私はなんだかわけのわからない「八百万の神」を信じる人間なのだ。これを宗教というなら、宗教家でもいい。でもだれでもが、好き勝手に何でも信じてしまうというのは宗教になるのかしら?

お母上の歌集「淡きくれなゐ」takekiyo

そんなわけのわからない話をして帰ったら、武田くんから、お母さんが亡くなったとの電話をもらった。彼のお母さんにはPTAの頃からいろいろお世話になったし、教えてもらうことも多かった。息子とは違って凛とし、教養も大変深い方だった。歌集を頂いたこともあった。その中にいくつか息子のことを歌ったものがあった。3つほど拾い出し、ここに掲載させていただきます。

 

チベットにて如何なる思惟を経しならむ髭に覆われ帰りし息子
幼き日我が袖の陰にかくれし子いま晴れやかに花嫁と並ぶ (私が仲人をしました)
クェートの砂漠にマングローブを根付かせし十年の辛苦とを淡々と語る (向後さんのこと)

ミャンマー イラワジデルタ

2月20日(金)
ミャンマーは11月から4月が乾季。前回12月にイラワジデルタに行ったときにはまだ乾季の始まりだったが、今回は乾季の終盤になっていた。土地は干からび、マングローブの葉も元気がない。水路も浅くなっており、ヤンゴンとボガレーを結ぶ巨大なボートも舳先に水夫が立って、竹の棒で深さを測りながら進むので、時速は歩く速度より遅くなった。130kmの距離を10時間近くかかった。
私たちのキャンプは細い水路に面しているが、引き潮になるとさらに細々とした流れになる。乾季で最大の問題は、飲み水だ。水路には泥色をした水が流れているが、塩分を含むので飲み水や炊事の水にはならない。井戸も浅いのがあるが、水路の塩水と同じで洗濯ぐらいにしか使えない。

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この時期、ここでは水売りから買うか、雨季に瓶に貯めた水を使うかしかない。瓶をたくさんもっているお瓶(金)持ちはいいが、貧しい家庭は塩分が入った水やたまり水を使うしかない。煮沸して飲めばいいのだが、彼らは燃料を買う金もない。悪い水を使うので目の病気や胃腸の病気になる。病気を防ぐにはよい水の供給が必要なのだが、井戸を掘る機械も技術もない。瓶に貯められた水だって数ヶ月たてば悪くなる。マングローブ植林の手伝いに来ているのだが、まず最初にマングローブ地域に住む人たちの環境を改善しなければ、仕事もはかどらない。国連に働きかけたりしても、なかなか援助は届かない。

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ここの人たちに比べれば、イラクの人たちはだれかが援助してくれるのでまだいい。ミャンマーのイラワジデルタは軍事政権のもとにあって、世界から見捨てられており、援助の手もない。最貧国の定義は1ドル/1人・1日だ。

イラワジデルタでは1家族1日に1ドルに足りない。ちなみに日本は1人1日100ドルだそうだ。お金も、水もない。栄養も足りない。でも子どもは元気だ。彼らの笑顔が亡くならないように、しばらくは私の力を尽くしてみようと考えている。

 

ソネラチア 一夜花 コウモリが受粉

2月18日(水)
マングローブというのは、塩水に育つ植物の総称だ。沖縄ではヤエヤマヒルギが有名で、長い胎生種子がぶら下がっている。私が通っているミャンマーのマングローブは種類が多く、花の美しいソネラチア(右の写真、真ん中が雌しべで周りが雄しべ、一夜で開花し、コウモリが受粉する。残念ながらまだその瞬間の写真を撮ったことがない)や板根をだすカナゾウなどさまざまなものがある。

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マングローブは塩水に育つのだから、強い植物なのだろうと想像していた。しかしマングローブだって本当は真水の方が好きなのだ。塩分のないふつうの土地で育てるとすくすく伸びて巨木になる。好きで塩水のところにいるわけではない。環境のよいところは競争が激しくて、他の植物に負けてしまうので競争相手のいないところにひっそりと暮らしているだけだ。実はマングローブは心やさしい植物なのだ。それを聞いてますます「いとおしい」感じを持つようになった。

ベトナム・マングローブ林でカヤック

2月16日(月)
今朝早くベトナムのホーチミン市から帰ってきました。ベトナムは「みわ塾」の聴講生からの授業料徴収が目的でしたが、その何倍かの支払いをさせてしまいました。とんでもないたかり元教師ですが、現在はフリーターなので、勘弁してくだされ!

山本くんと秋山くんは私の戸山高校時代に担任した生徒でラグビー部仲間です。高校生からの仲良し3人組の二人がいまだにベトナムで数年間一緒にいるのですから腐れ縁ですなあ。もう一人の岡村くんは最近すっかりヨーロッパかぶれですが、しばしば一緒に遊んでいるようです。

 

ホーチミン市の南にあるカンザーのマングローブの森をカヌーで巡ってきました。いつものようにカヌーぐらいできるよと言ってましたが、私は実際には100mぐらいしか漕いだことはありません。なのに彼らは海に近い細い水路を5時間ぐらい漕いで行こうというのです。貸してもらったのは正式にはカヤックで、モンベル製の4.5mの安定のよいAFREQというシリーズの艇です。

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ほとんど船の来ない水路を3人でゆっくり漕いで行きましたが、私には1時間が限度。徐々に腕が上がらなくなってきました。マングローブの種類を説明しながら、休みました。カヤックは休んでいても下流に下るのですが、3時間を過ぎることから、潮が満ち始め、アゲインストの進路になりました。下流の橋に運転手さんを待たせているので、なんとかそこまでたどり着かなければなりません。風、波がでてきていくら漕いでも、戻されている感じです。彼らは慣れているので、巧みにコースをとりながら進んでいますが、私は必死に漕いでもどんどん離され、一足遅れて橋の下まで付いたときには立ち上がるのもやっとぐらいの疲労困憊でした。足は鍛えているのですが、腕はダメでした。 しかし身体を目一杯使った時の心地よさは、いいものです。山本宅で夕日を見ながらビールを飲んでぐっすりと熟睡をしました。この体験は皆さんにもしてもらいたいですね。

ところで、話は変わって、。ベトナムと言ったら、すぐさま戦争と連想するのですが、彼らはもう先に進んでいるようでした。それは驚きと安堵の感じです。それについてはしばらく考えてから書こうと思っています。

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もう一つベトナムには月光仮面が沢山いたと書いたら、そりゃ何だと言われました。写真を撮りましたので見てください。ベトナムでは私は絶対に運転などできません。ものすごいバイク交通渋滞。覆面は排気ガス防御と日除けだそうです。

初孫はたいてい初めての孫だ!

1月31日(土)
しばらくご無沙汰と書いたのですが、報告二つ。
一つは、昨日我が家に新しい家族誕生。昨年結婚した長男のところに女の子が誕生しました。我が家にとってははじめての初孫。と言ったら西山昭宣さんに                「初孫はたいていはじめてだよ。取り乱してるな」とからかわれてしまいました。昨日は宮本常一先生の年忌で、島根日笠寺の住職の山崎禅雄さんが、難しい金剛教というお経を上げてくれました。意味を優しく解説してくださったのですが、あいかわらず体力だけの賀曽利隆、三輪主彦は勝手な解釈をしていました。宮本千晴さん、関野吉晴さん、伊藤幸司さんなど久しぶりにお会いしました。

二つ目は、今日の夕方新宿で行われる都立大学地理学科の同窓会で、「マングローブの世界」という話をすることになっています。その資料としてパワーポイントで映像を作ったのですが、一回切りというのはもったいないので、このホームページにくっつけて見ました。パワーポイントの映像をどうやって見るのかよく分からないのですが、くっつけてみますからトライしてみてください。写真が多いので、重たすぎて動かないかも知れないのですが・・・・
ここをクリックしてみてください。

明日できることは今日やってはいけない

1月29日(木)
昼間はポカポカといい天気だった。ここ数日は霜柱があった我が庭の土も軟らかくなってきた。昨年秋に垣根の赤目樫が3本も枯れたので、植え直しをしたが、また枯れてしまった。植木職人の江口くんご夫妻にたのんで見てもらう。ついでに大きくなりすぎたハナミズキとサザンカ、カエデの木を小さくしてもらうことにした。しかしポカポカ陽気で、昔話に花を咲かせているうちに、午後になってしまい、今日はもう時間がないので、また来ます、ということになった。
こういうのがいい。時間など気にせずにおしゃべりしているうちに、「あれもうこんな時間だ」といって、仕事をあすに延ばす。長屋のご隠居さんみたいで、実にいい。江口さんには、わざわざ来てもらっているのに申し訳ないのだが。わたしが25年前にいたトルコでは諺に「明日できることを今日やってはいけない!」というのがある。最近その諺が身にしみて分かるようになってきた。先へ先へ想いを進めてはいけないということだ。

★ 2月1日からまたミャンマーへいきます。場所はこのまえと同じところ。またあののんびりとした船でイラワジ川下りをします。目的地までは船で1日、さらに小型ボートでまた1日かかります。16日に帰ってきます。

★ それまでしばらくお休みします。向こうには電気も電話もありません。もちろんインターネットもありません。13日から3日間はベトナムです。そこに住んでいる山本くんと秋山くんへの「みわ塾」の通信教育スクーリング並びに授業料徴収が目的です。

マングローブ百珍(湾岸のマングローブ)

1月6日(火)

昨年は散々お世話になったACTMNG(マングローブ植林行動計画)の事務所に行く。数少ない所員の須田さん、鶴田さんがおられる。今年もよろしくとの挨拶。もと所員で、私もエクアドルでお世話になった鶴田幸一さんの本が届いていた。「マングローブ百珍」という本だが、こりゃおもしろい。アラビアでのマングローブ植林がいかにおもしろかったか。いろいろな報告書はあっても実際のところ第一次湾岸戦争でペルシャ湾岸に油が流れてマングローブがどうなったのか、私は知らなかった。この本でそのころの情景が目に浮かんできた。

■私は彼の作っていたホームページで一部は読んでいたが、本になるとさらにおもしろい。いい本だと思う。西日本新聞の発行なので、あまり読者はいないかもしれないが、興味のある人は一読を! 今の時代マングローブ植林がはやりだけど、適地でもないところにいい加減に植えてはいけないと。その通りだろう。

■彼のホームページは
http://www.smilepapa.com/~tsuru-g/contents/contents.htm
ただし、この「つる爺」は、パソコンやインターネットというものを嫌って隠遁生活に入ってしまった。ホームページの痕跡は残っているが、以後の更新はしないそうだ。