わが故郷 広島では大変なことが!

広島県では大変なことになっている。とんでもない量の雨が降ったらしい。すでに緩んでいた斜面の土砂が崩れ落ち、土石流として家屋に流れ落ちて来た。避難勧告は土砂が崩れた後だったとのこと。勧告を受けても、バケツを何杯もひっくり返したような雨だったので、逃げたくても逃げられない状態だったようだ。

それにつけても、昨年の伊豆大島の土石流など斜面の崩壊での事故は痛々しい。しかしそれでも、「なんでこんな場所に家を建てたのか」と言いたい。この付近は以前にも土石流が発生した場所で、危険地域であることは、誰が見ても明らかだ。でもみんなが家を建てているから大丈夫という、根拠のない安心感があったのだろう。

私は広島県の出身で、今回の事故があった可部町辺りには何回か行ったことがある。30年前ごろには、こんな上まで家は登っていなかった。テレビ画面で見るとほとんどが新築家屋で、古い家は少ない。ヘリコプターからの映像をみると、家々はまさに新しい扇状地の上に乗っかっている。扇状地というのは繰り返し土石流が流れる場所だ。こんなところに家を建ててはいけない。そんなことは市役所の人たちも知っていた。しかし宅地造成や建築業者はどんどん造成していった。これはある意味では人災だよ。

造成した業者、認可した役所、それぞれに責任がある。「扇状地に住んではいけない!」という声を発しなかったということでは、私ら地学の教師にも、少しは責任があることは、私も自覚している。土木、建築の人たちは技術におぼれて、大局を見ていなかったという責任もある。私たちは、原発事故で、技術が進んでも自然をなめてはいけないという教訓を得た。皆で自分の住む地のことを見直さなければいけないと思った。