上海3日目 蘇州へ

上海郊外の蘇州は水の街として知られている。私たちの時代の人間は蘇州夜曲がなつかしい。この曲は李香蘭という中国人が歌った歌で中国で大ヒットした。戦後李香蘭は中国人なのに日本軍に協力したスパイとして死刑になりそうになった。しかし実は日本人だとわかって釈放され日本に渡った。彼女は山口淑子として外交官になったり議員になったり数奇な運命をたどった。
蘇州夜曲は中国では敵国の歌として演奏はできなかった。中国に忖度して日本でも放送禁止歌になった。私たちは子供のころからレコードなどでひそかに聞いて知っていたが放送はできなかったようだ。日の目を見たのはそんなに昔のことではない。「地球の歩き方」にはそんな話はまったく書かれていない。蘇州は東洋のベニスだとだけ書かれている。

蘇州駅前の城壁

虎丘の斜塔(4度傾いている)

君がみ胸に 抱かれて聞くは 夢の船唄 鳥の唄

水の蘇州の花散る春を惜しむか柳が すすり泣く !

水の都だね

おはなみ、何の花かな

蘇州までは上海駅から新幹線で行きました。30分ほど。日本の新幹線と同じだが、少し位掃除をしてよ!という感じ。ついでに浦東空港と街中まで40キロを7分で走る浮上式のリニアモーターカーもある。これは400㎞/h以上出るそうだが、私が乗った時には300㎞/hだった。地下鉄網もびっしりで、公共交通についてはもう日本と同じだ。しかしメンテナンスはまだまだという感じ。
しかし昔の中国を知る私たちとしてはもう驚異的としか言いようがない。似たようなレベルだったインドとはもう段違いだ。一党独裁という指導体制のせいだろうか。価値観が違うのでどうもいいようはないが、現在時点では独裁化でも繁栄をしている中国国民の方がいまだ貧困にあえいでいるインド社会よりもちょっと幸せなのではないかと思う。まあそれは表層だけかもしれないが。