みつばちの大地 映画

私たちがお手伝いしているモモの農家では、花粉を受粉するのは人間の手でやっている。本来はミツバチがやってくれるはずなのだが、最近ミツバチが消えてしまったとの報道が世界中から伝わっている。おそらく農薬のせいだろうと言われている。

岩波ホールでやっている(11日まで)「みつばちの大地」は、とんでもなく精密な撮影でミツバチの生態を見せてくれた。驚いたのは空中での女王蜂の交尾。どんな方法で撮影したのだろう。私は内容よりも、撮影方法に関心があった。ミニヘリコプターとかを使ったようだ。

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ミツバチがいなくなったのは自然の変化も関係していると思ったが、実はすでにほとんどのミツバチは家畜化されており、女王蜂も自由に造りだすことができるようになっている。各地にさまざまな種類のミツバチがいたが、家畜化によって均一化していったらしい。同じような種類だけになると、効率はいいのだが、いったん衰退するとどんどん減少してしまう。アメリカの例では、大変な量の農薬を使っているうちに子どもができなくなって終わり。

アメリカの農家は資本主義社会ではミツバチもMONEYに見える。と言っていた。そんな人たちにとっては、新しいミツバチを作ればいいのかもしれないが、これだけ大量にいなくなると、生態系に大きな影響が出てしまう。なにせ我々が口にする食物の1/3 はミツバチが受粉していたのだそうだ。今中国などでは労働者を大量動員して受粉している。日本でも人工授粉で対応しているが、長続きはしないだろう。いろいろ考えさせられる映画だった。

 

 

小林幸子ショー コマ劇場

3月11日(木)午後
パソコンに向かっていると、わが奥さんが行くわよ!と言う。「どこへ?」と訪ねると「小林幸子ショー」よ。そういえば昨年も1月には新宿コマ劇場で紅白歌合戦の豪華衣装を見に行った。我が家は新聞やさんがくれるクジによく当たる。奥さんは毎月のようにコマ劇場の北島三郎ショーや松平健ショーなどに行っている。

私が小林幸子のファンだってことを承知なので、小林幸子の時だけは誘ってくれる。昨年の大晦日は富岡八幡宮に行っていたので、紅白歌合戦は見ていない。話では、大晦日は電気が故障して、巨大なクジャクの羽根が開かなかったそうだ。NHKは恐縮し、2月にリベンジし、その時は見事に開いたといういきさつがあった。

新宿コマ劇場にいけば3月中は毎日見ることができる。一年の稼ぎをすべてつぎ込んでいると言うだけあって、そりゃ豪華だ。何ヶ月もかけて準備し、ほんの一瞬にのうち花が散る。まるで花火みたいなぜいたくだ。昔は紀伊国屋文左衛門みたいなお大尽がやったんだろうが、いまは女性の方が気っぷがいい。こういうバカバカしくもおもしろいことをやってくれなくちゃ。来年も是非見に行こう。

その衣装の写真を撮ろうと思ったが、劇場内は撮影禁止、パンフレットには写真が出ていない。インターネットで探したら、すべて転載不可。というわけで、豪華衣装の写真はない。もし見たい人は、新聞やさんにお願いしてみることですなあ。(新聞記者じゃなくて、新聞販売店です)

愛国心は人一倍ある!でも君が代はいやだ!

3月9日(火)
昨日はヨレヨレで一日寝たりになっていた。家を出たのはゴミ捨てだけ。いままではマラソンの翌日はムリしてもさっそうと勤めに出かけたのだが(勤め先で休んでいた?)、いまはいくじなし。そんなことではいけないと今日は早起きして84歳の母親が旅行に行くのを、待ち合わせ場所まで送っていった。向こうの方がさっそうと歩いていたが、私も早起きしてシャッキリしたら気分は良くなっていた。筋肉痛は残っているものの、体調は大変よい。ということは怠け心は身体まで怠けさせてしまうのだ。

ところで、そろそろ学校では卒業式のシーズンだ。ここ数年、東京の教育委員会はものすごい圧力で国旗掲揚と君が代斉唱を強要している。昔から卒業式に日の丸は掲げてあるのだが、それに向かって威儀を正して礼をしなければならないことはなかったし、君が代を声を出して歌っているかチェックするなどということはなかった。そばに来て歌っているかどうかをチェックするなんて漫画みたいなことをやるとは思っても見なかったが、それは甘かった。愛国心を植え付けるのは、まず教員に言うことを聞かせなけれなだめだ。君が代斉唱はその踏み絵なのだ。

今年はさらに生徒たちの方を向いて座っている教員は、国旗に対して失礼に当たるので全員まえを向くようにとのお達しがあった。私はこれまで歌を歌うかどうかチェックされるがイヤなので、会場には入らず外回りの警備を担当したりしていたが、それもかなわなくなったそうだ。それなら休暇をとって休んでしまえと思っても、卒業式当日は休暇の許可を出してはいけないというお達しも来ている。休んだら職場放棄で処罰される。君が代を声を出して歌わなかったら処罰される。石原慎太郎知事の意を借りて、教職員を徹底管理しようという小役人の考えそうなことだ。

前の同僚からのメールでは、「こんなバカなことをして、愛国心が養われるのでしょうか?おぞましいことだ。あんたは早く逃げ出してよかったが、辞められない僕らは大変だよ」とあった。私は早く辞めたことは申し訳けないことだと思っているのだが、私にとってみんなの前で声を出して「君が代」を歌うほど屈辱的なことはない。歌うようなふりをしていればいいじゃないかと言う人もおおいし、たぶんほとんどの先生は、この時間をじっと耐えているのだろうが、私ぐらいの年になると我慢ができなくなる。

僕には愛国心、愛郷心、愛校心は人一倍強くあると思っている。しかし軍隊を他国に派遣して、自国を守るという愛国心は持ち合わせていない。自衛隊はあくまでも自衛のための隊であって、外国を犯してはいけないのだ。イラクが戦後ならその復興は民間がやればよい。自衛隊を派遣したり、憲法9条をなくしてしまうことは、国を破滅に導くだけだ。本当に愛国心をもとうとするなら、自国と同じように他国も愛さなければならない。攻められてもいない国に、アメリカの言いなりになって自衛隊を派遣しなければならないのか?そんなことが愛国心につながるのか? 私はそんな愛国心に与したくない!

卒業式の日の丸、君が代はそれだけの問題ではない。先生たちをなんとしてでも自衛隊派兵容認に向かわせる一里塚である。私はいままでノラリクラリすごしてきたが、これからの先生は旗色をはっきりと石原色にしないとやっていけなくなりそうだ。みんなが一色になったら、それは大政翼賛会になる。へなちょこな分けのわからない人もいなければ、社会は成り立たないのだ。みんな一斉に元気よく一方方向にすすむことが一番怖いことなのだ。私はここでしばらく辻信一さんの提唱する「ナマケモノの勧め」をやろうと思っている。