恐竜を見に行く!ドクタートミー

恐竜解説の世界では超有名人のドクタートミーが板橋区の教育科学館にやってくるというのを聞いて、孫を連れてお話を聞きに行く。私は数年前にエジプトの西部砂漠に一緒に行き、恐竜発掘の現場を見学させてもらい、さらに世界遺産になったクジラの谷にも行った。ロンドンの大英博物館にも一緒して、いろいろ解説もしてもらった。

140810rex

肉食爬虫類研究所の所長さんでもあり、本日陸イグアナを連れての登場だった。このイグアナが会場の手すりの隙間に入って、出てくなくなっていろいろ大騒ぎ。子どもたちはお話よりも、生きたイグアナの方に興味。

140810iguana

 

 

みわ塾1年。ミャンマーの神、日本の神

3月31日(水)
今日で3月も終わり。明日からフリーター生活2年目だ。
この一年はなかなかおもしろい年だった。半分本気で、半分冗談ではじめた「みわ塾」は、やってみると緊張感もあり、古い友人がまた集まってきてくれたりしてなかなかおもしろかった。
今年はさらにパワーアップして月一回の授業のほかに、「旅するみわ塾」と称して、月に一回都内の地形と暮らしの見学、とか城ヶ島地層見学、丹那断層地形見学、モンゴルの草原で地平線を見る、ミャンマーかベトナムでマングローブの復元とクリークを手こぎの小舟でツーリングをするなどをしようと考えている。

向後さんのおかげで、ミャンマーでマングローブ植林作業にも3回も参加させてもらった。なかなか行くことはできない場所だった。何回か行き来している間に、多くのミャンマーの人々とも仲良くなった。私のモットーは「できるだけ余計なお世話はしない」なのだが、なにかこの地の人の役に立つことができないかと考えるようになっている。といっても物資の援助というのではなく、ここでも「みわ塾」ミャンマー版をやれないかと思っている。ミャンマーの村の学校の先生に集まってもらって、論議を交わすのはなかなかいい。

ミャンマーという国は仏教徒が大部分なのだが、村々には多くの「ナッ」という土着の神がまつられている。日本の「八百万の神」のような精霊信仰だ。お寺の中にさえ「ナッ」がまつられている。キリスト教やイスラムの国では、こういう訳のわからない信仰は許されないだろう。しかし私たち日本人にはよくわかる。ミャンマーは世界最貧国の一つだが、人々の心はゆったりと豊かだ。これからの日本人はこの国から学ぶことが多いのではないかと思っている。

日本の「一宮」は千年以上も続く文化だ。ほかの世界に現在まで伝統を千年以上も保っているいうものはあるか? と言うのは賀曽利くんだ。彼は全国の一宮をすべて、何回も巡っている。

昨日夜は雨が降って寒い日だったが、秋葉原で久々に懐かしい人々とあい、あつい会話を交わした。賀曽利くん、神埼さん、観文研の仲間だ。3人で賤ヶ岳を駆け下り競争をしたのは30年も前のことだったが、つい最近のことのように感じたのは、我々が年をとったせいなのだろうか。

血と汗と涙の国際貢献!

3月11日(木)
今日はミャンマーでマラソンした話を書きました。夏に行ったときに下書きをしてあったのですが、少々手直し。題目は「血と汗と涙の国際貢献」です。

予期せぬことに出会ったときに、子どもたちの顔は一瞬凍りつく。しかし安全だと分かるとたいていはゲラゲラと笑い出す。子どもの頃をおもいだしても確かにそうだった。しかし近年日本で子どもたちが一緒になって大声でげらげら笑っている姿を見ることはなくなった。

私はいまミャンマーのイラワジ河口デルタでマングローブ植林事業の手伝いをしている。首都のヤンゴンから植林キャンプ基地までは百数十キロしか離れていないが、汽船で一日、さらに10人乗り程度のボートで半日かかる。河口デルタは両側にマングローブが繁った細い水路が入り組んでおり、ところどころに小さな村がある。村人は米作やニッパヤシの葉の加工、漁業などで細々と生計を立てている。首都の燃料不足のためにこの地のマングローブが大量に切り出されたために、森は荒れ林業や漁業に影響がでており、森林再生が求められている場所だ。村々をまわって森林を見に行く交通手段は手こぎの小舟だけである。

ジョギングだけが趣味の私は何日も水路の上を舟で行ききしていると無性に地面を踏みしめる感覚が恋しくなる。グチョと足がとられるマングローブの泥地は私の好みではない。ムリに用事を作って「道路」がある島に連れて行ってもらう。その島の中央部は昔の砂州で、ほぼ直線で20キロほどの白い砂の道が続いている。真っ白な砂の道を地元の人はハイウェーとよぶ。その地では唯一の動力車であるトラジが走る。耕耘機に荷台をつけお客を乗せるようにした奇妙な乗り物だ。私の仲間たちはトラジにのって15キロ先のアマという町に向かう。そこにはこの地で唯一電話があるのだ。

私はあとをついて走ることにした。トラジの時速は10キロ程度。私はせいぜい8キロだからどんどん離れる。軍政下のミャンマーではこの地に入る外国人は銃をもった警官に監視される。私の単独行動をとがめるように何度もトラジにのるように勧める。短パンTシャツ姿ではなにも悪いことはしないよ!と身振りで示すが、なかなか許可してくれない。トラジは何度も止まっては私が追いつくのを待っている。

8月はイラワジの雨季だ。突然バケツを三つも四つもひっくり返したような雨が降ってきた。私なんかにかまっていられなくなったトラジは先に行ってしまった。道路はアッという間に水浸しになっている。しかし二〇分もすると青空がもどってくる。グチャグチャになった靴と靴下を脱いで、手に持って走る。ガラスやプラスチック、石という野蛮なものはないので、ハダシでも危険はない。ジャマものがいなくなったので、ゆっくりのんびり走っていると、小学校に出た。学校の前で遊んでいた子どもたちは一斉に私の方を向いた。「なんじゃこいつは?」という感じであるが、驚いたらしく誰もなにも言わない。「ミンガラ」とあいさつをしたとたん、こいつは大丈夫だと分かったらしく、一斉に遠慮会釈もなくゲラゲラと笑い出した。こんなメチャクチャな笑い顔を見たのははじめてだ。

手をあげて走り出すとみんなが私を取り囲むようにしてついてくる。そばにいた大人たちも、大げさに言えば集落全員が一緒になって走っている。まるで映画の「フォレストガンプ」の主人公のようだ。大昔、私も村唯一のオート三輪の後ろをついて走った子どもの頃を思い出した。あのときの私はここにいる子どもたちと同じだったんだ。この子どもたちは大きくなったときに変なオヤジのあとをついて走ったなあと思いだすのだろうか。もうちょっとましな思い出にしてやりたいが、まあしかたがない。

アマの町の入り口にくると前方から自転車に乗った男が向かってきた。警官かと身構えたが、濡れネズミになっている私のために乾いたTシャツとロンジー(筒状のスカート、ミャンマー人は男女とも愛用している)を持ってきてくれたのだ。私の仲間が頼んだわけではない。笑い焦げながら私を追い越して行った男が、「濡れネズミになった変な日本人が来るから乾いた服をもっていってやれ」と伝えたのかもしれない。

みんなの笑いは、人をバカにした笑いではなく、安心して受け入れてくれた笑いだった。これまで何年も走ってきたが、こんなにも心地よく安寧の気分で走れたことはない。うれしくて涙が流れてきた。ついでに足首と足指の股から血が流れてきた。ハダシで蓮池に入ったのがいけなかったらしく、数匹のヒルが吸い付いていた。

警官にはにらまれたが、この地の人と仲良くなったのだから、仕事も円滑にすすむだろう。まあこれも立派な国際貢献だろう。汗と涙と血を流したわが国際貢献だった。

 

ミャンマー イラワジデルタ

2月20日(金)
ミャンマーは11月から4月が乾季。前回12月にイラワジデルタに行ったときにはまだ乾季の始まりだったが、今回は乾季の終盤になっていた。土地は干からび、マングローブの葉も元気がない。水路も浅くなっており、ヤンゴンとボガレーを結ぶ巨大なボートも舳先に水夫が立って、竹の棒で深さを測りながら進むので、時速は歩く速度より遅くなった。130kmの距離を10時間近くかかった。
私たちのキャンプは細い水路に面しているが、引き潮になるとさらに細々とした流れになる。乾季で最大の問題は、飲み水だ。水路には泥色をした水が流れているが、塩分を含むので飲み水や炊事の水にはならない。井戸も浅いのがあるが、水路の塩水と同じで洗濯ぐらいにしか使えない。

mizugame1

この時期、ここでは水売りから買うか、雨季に瓶に貯めた水を使うかしかない。瓶をたくさんもっているお瓶(金)持ちはいいが、貧しい家庭は塩分が入った水やたまり水を使うしかない。煮沸して飲めばいいのだが、彼らは燃料を買う金もない。悪い水を使うので目の病気や胃腸の病気になる。病気を防ぐにはよい水の供給が必要なのだが、井戸を掘る機械も技術もない。瓶に貯められた水だって数ヶ月たてば悪くなる。マングローブ植林の手伝いに来ているのだが、まず最初にマングローブ地域に住む人たちの環境を改善しなければ、仕事もはかどらない。国連に働きかけたりしても、なかなか援助は届かない。

seito2

ここの人たちに比べれば、イラクの人たちはだれかが援助してくれるのでまだいい。ミャンマーのイラワジデルタは軍事政権のもとにあって、世界から見捨てられており、援助の手もない。最貧国の定義は1ドル/1人・1日だ。

イラワジデルタでは1家族1日に1ドルに足りない。ちなみに日本は1人1日100ドルだそうだ。お金も、水もない。栄養も足りない。でも子どもは元気だ。彼らの笑顔が亡くならないように、しばらくは私の力を尽くしてみようと考えている。

 

ソネラチア 一夜花 コウモリが受粉

2月18日(水)
マングローブというのは、塩水に育つ植物の総称だ。沖縄ではヤエヤマヒルギが有名で、長い胎生種子がぶら下がっている。私が通っているミャンマーのマングローブは種類が多く、花の美しいソネラチア(右の写真、真ん中が雌しべで周りが雄しべ、一夜で開花し、コウモリが受粉する。残念ながらまだその瞬間の写真を撮ったことがない)や板根をだすカナゾウなどさまざまなものがある。

sonerat0429

マングローブは塩水に育つのだから、強い植物なのだろうと想像していた。しかしマングローブだって本当は真水の方が好きなのだ。塩分のないふつうの土地で育てるとすくすく伸びて巨木になる。好きで塩水のところにいるわけではない。環境のよいところは競争が激しくて、他の植物に負けてしまうので競争相手のいないところにひっそりと暮らしているだけだ。実はマングローブは心やさしい植物なのだ。それを聞いてますます「いとおしい」感じを持つようになった。

ベトナム・マングローブ林でカヤック

2月16日(月)
今朝早くベトナムのホーチミン市から帰ってきました。ベトナムは「みわ塾」の聴講生からの授業料徴収が目的でしたが、その何倍かの支払いをさせてしまいました。とんでもないたかり元教師ですが、現在はフリーターなので、勘弁してくだされ!

山本くんと秋山くんは私の戸山高校時代に担任した生徒でラグビー部仲間です。高校生からの仲良し3人組の二人がいまだにベトナムで数年間一緒にいるのですから腐れ縁ですなあ。もう一人の岡村くんは最近すっかりヨーロッパかぶれですが、しばしば一緒に遊んでいるようです。

 

ホーチミン市の南にあるカンザーのマングローブの森をカヌーで巡ってきました。いつものようにカヌーぐらいできるよと言ってましたが、私は実際には100mぐらいしか漕いだことはありません。なのに彼らは海に近い細い水路を5時間ぐらい漕いで行こうというのです。貸してもらったのは正式にはカヤックで、モンベル製の4.5mの安定のよいAFREQというシリーズの艇です。

kayak042

ほとんど船の来ない水路を3人でゆっくり漕いで行きましたが、私には1時間が限度。徐々に腕が上がらなくなってきました。マングローブの種類を説明しながら、休みました。カヤックは休んでいても下流に下るのですが、3時間を過ぎることから、潮が満ち始め、アゲインストの進路になりました。下流の橋に運転手さんを待たせているので、なんとかそこまでたどり着かなければなりません。風、波がでてきていくら漕いでも、戻されている感じです。彼らは慣れているので、巧みにコースをとりながら進んでいますが、私は必死に漕いでもどんどん離され、一足遅れて橋の下まで付いたときには立ち上がるのもやっとぐらいの疲労困憊でした。足は鍛えているのですが、腕はダメでした。 しかし身体を目一杯使った時の心地よさは、いいものです。山本宅で夕日を見ながらビールを飲んでぐっすりと熟睡をしました。この体験は皆さんにもしてもらいたいですね。

ところで、話は変わって、。ベトナムと言ったら、すぐさま戦争と連想するのですが、彼らはもう先に進んでいるようでした。それは驚きと安堵の感じです。それについてはしばらく考えてから書こうと思っています。

gekokamen

もう一つベトナムには月光仮面が沢山いたと書いたら、そりゃ何だと言われました。写真を撮りましたので見てください。ベトナムでは私は絶対に運転などできません。ものすごいバイク交通渋滞。覆面は排気ガス防御と日除けだそうです。

明日できることは今日やってはいけない

1月29日(木)
昼間はポカポカといい天気だった。ここ数日は霜柱があった我が庭の土も軟らかくなってきた。昨年秋に垣根の赤目樫が3本も枯れたので、植え直しをしたが、また枯れてしまった。植木職人の江口くんご夫妻にたのんで見てもらう。ついでに大きくなりすぎたハナミズキとサザンカ、カエデの木を小さくしてもらうことにした。しかしポカポカ陽気で、昔話に花を咲かせているうちに、午後になってしまい、今日はもう時間がないので、また来ます、ということになった。
こういうのがいい。時間など気にせずにおしゃべりしているうちに、「あれもうこんな時間だ」といって、仕事をあすに延ばす。長屋のご隠居さんみたいで、実にいい。江口さんには、わざわざ来てもらっているのに申し訳ないのだが。わたしが25年前にいたトルコでは諺に「明日できることを今日やってはいけない!」というのがある。最近その諺が身にしみて分かるようになってきた。先へ先へ想いを進めてはいけないということだ。

★ 2月1日からまたミャンマーへいきます。場所はこのまえと同じところ。またあののんびりとした船でイラワジ川下りをします。目的地までは船で1日、さらに小型ボートでまた1日かかります。16日に帰ってきます。

★ それまでしばらくお休みします。向こうには電気も電話もありません。もちろんインターネットもありません。13日から3日間はベトナムです。そこに住んでいる山本くんと秋山くんへの「みわ塾」の通信教育スクーリング並びに授業料徴収が目的です。

くるみ餅 

1月5日(月)
所沢の親戚の家から、「自然の食材で造ったお正月料理クルミ餅を食べにおいで」とよばれたので、出かける。ご夫婦とも田舎育ちなので、お正月は都会の八百屋で買った野菜ではなく、故郷でとった野菜や、地元の山で取った野生の山菜を使って料理を作っている。テーブルには山ほどごちそうが並べられた。味音痴のわたしでも、いつも食べている野菜や山菜とはまったく違った味がするのがわかる。自然のものはこんなにもおいしいのだ。

■そのなかでも特に気に入ったのは、くるみ餅。「それぐらい私のところでも作るよ」といわれるかもしれないが、クルミの種類がちがう。「お店で売っているのは柔らかくておいしくないんです」と旦那さんが言う。このクルミは特別なものではなくて近くの柳瀬川のほとりに生えているクルミを取ってきたもので、とても堅くてなかなか割れない。それをていねいに割って、すり鉢で半日かけてすりつぶし、水をほんのちょっと入れる。牛乳を加えたこともあるが、これは失敗だった。水加減で柔らかさが決まるのだそうだ。

kurumimoti

■焼きたてのお餅にねっとりとなったクルミをかけて食べる。これは絶品。お店のクルミで作ったものと食べ比べてみても、はっきりとわかる。特別な食材を使うわけではない。そこいらにある自然のクルミを使えばこんなにも旨くなる。これが料理の極意。

■この味を皆さんにつたえたい。今年の10月の「みわ塾」は、自分で取ってきたクルミで、ものすごく旨いクルミ餅を作り、食べるという講座にすることにし、講師もお願いした。前もって野生のクルミを取ってくるという事前学習も行うので、秋のハイキングもかねて、柳瀬川を歩しんでください。

■ついでに、宣伝をしておきます。今年の「みわ塾」は海外講座も行います。6月はモンゴル。ツアーでは行けないようなところに行き、地元の人たちにいろいろと生活の知恵、異なる文化を教えてもらおうと思っています。

日時は6月の10日ごろから1週間。まもなく募集を始めます。