先日最後の紅葉かと書いたが、ここ遠州は暖かい土地なのでまだまだ紅葉は真っ盛りだった。10月に小夜の中山を越えた時に、途中でバスに乗りこの神社の前を通り過ぎただけだった。かなり気になっていたので本日また掛川にやってきてバスで事任八幡宮(ことのまま)に向かった。ここは遠州の一宮である。
小夜の中山という峠は箱根、鈴鹿とならぶ東海道三大難所といわれる。京都からくるといよいよ難所の峠に向かうということで覚悟を決めなければならない日坂の宿場だ。その宿場の入り口にあるのがこの神社だ。ことのままというのは、ことだまという説もある。奥宮は「言霊の杜」にある。しかし一般には事が思った通りに行くという意味にとられるようになったらしい。平安時代には清少納言の「枕草子」や多くの和歌、鎌倉時代には吾妻鏡、江戸時代には十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などに「願い事が叶う神社」として登場している。
源光行の海道記
「事のままと申社に参詣す杉の村立は三輪にあらすも尋ねても参らん、思ふことままにかなへば杉立る神のちかひのしるしとそ見む」
阿佛尼の十六夜日記
「二十.途四日小夜の中山を越ゆ己登乃麻知とかやいふ社のほど道いと面白し」
鴨長明
「またもみむ吾ねき言のままならばしばし散すな木々の紅葉」
御祭神は「己等乃麻知比売命」後に八幡さんとなってこの3柱が祭神になった。もともとはヒメの宮だ。
バスが2,3時間に一本という場所なので、40分しか時間は取れなかったが、奥宮まで上り紅葉を堪能した。気分良し。