森林軌道の記憶

午前中は雨模様。お花見も一時停止。午後から高輪の都ホテルで行われた旅文研のシンポジウム「森林軌道の記憶」を聞きに行った。久しぶりにアカデミックな雰囲気の中での話だった。内容は豊富だったが、私の一番の感心は以下の写真。四国の森林鉄道では土佐犬が森林軌道の台車を引っ張っていたという証拠の写真としてよく見る。ところがこの写真、犬は下流に向かって台車を二匹で引っ張っている。森林軌道は材木を積んだ台車が下り勾配をゆっくり下る。その時には動力は必要ない。河口で材木を下ろした台車を犬が引っ張って上流に運ぶのである。犬は下る台車の材木の上に乗っていることが多い。この写真を改めて見ると下り道で犬が台車を引いている。地元の人から「おかしい」という指摘があったそうだ。実はこの写真はヤラセの写真だということがわかった。お役所ではまだこの写真を使っているそうだ。地元の人に聞かなければわからないな! といういい例だ。