奇跡の一本松 陸前高田

猊鼻渓からは今泉街道を通り、笹の田峠の難所を越える。峠からは室根山がみえる。室根山は気仙沼湾にながれる大川の水源。気仙沼のカキ養殖業の畠山さんは、海と森はつながっている、森がだめになったら海もダメになるとの主張で、水源の室根山に植林を始めた。『森は海の恋人』文春文庫

我が一行は気仙沼ではなく陸前高田に降りて行く。途中の八木澤商店でお醤油、たれ汁を買う。この醤油屋さんは陸前高田で200年以上も醤油屋さんをやってきた。しかし津波はこの店工場を完全に破壊した。しかし社長は1人も解雇せず、再建することを決意した。現在は海から離れた辺鄙な場所だが、そこに本店を移して商売をしている。ここまでお客はやってくるそうだ。我々も醤油を買い求める。140725yagisawa

今泉街道(陸前高田の中心は今泉だった)を陸前高田に降りて行く。大平原のような景色に、近くの山を崩した土砂がベルトコンベアで運ばれている。この大平原をぜんぶかさ上げするようだ。とてつもなく大工事。他の町と違って、ダンプカーではなくコンベアで土砂を何キロも運んでいる。この方式の方が早いし、確実だ。

 前に来た時には、昔の高田松原にただ一本残った奇跡の一本松があった。それも枯れて、現在は金属や樹脂で作ったレプリカが立っているが、ベルトコンベヤの巨大な装置の中にうずもれている感じ。
 それにしても、ものすごい工事だ。ここまでやる必要があるのか・・・よそ者はついよけいなお世話をする。日本列島改造! なんてもんじゃなく、日本列島新設という感じ。山を崩したところにも平地ができる。平地はかさ上げして新しい街ができる。現在は1人もいない。数年後には町が復活しているのだろうか。地元のお人には申し訳ないが、つい心ないことを言ってしまった。
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三陸旅行 猊鼻渓

本日から3日間、大昔の山岳部の仲間と、三陸旅行です。気仙沼のおの寺君の案内で、三陸を回ってみようというものです。今回は2回目で、前回は地震津波の後の2012年でした。

復興の様子を見て、応援しようというのが趣旨ですが、おの寺君は、「東北の歴史遺産も見た方がいいよ」と言ってくれる。そこで高速道路の一関ICで降りるが、「中尊寺や毛越寺はいいよ、まず三陸に行こう!」の意見の方がが大勢で、せっかくの歴史探訪は中止。それでも途中の「猊鼻渓ぐらいは寄って行ってよ!」、という説得で船遊びで、涼をとることになった。
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思っていたよりもはるかに立派な観光地。石灰岩の岩壁とみどりの水面がすばらしい。船頭さんもなかなかでした。

そのあと一路陸前高田に向かう。前回来た時には奇跡の一本松はまだ残っていたが、今回は・・・!