平将門の鎧神社の狛犬

  新宿柏木に鎧神社がある。ヤマトタケルの東征の際に武具を保管した場所と言われると書いてあったが、地元の人は平将門の鎧を埋めた場所として信仰が厚い。平将門は関東では人気のヒーローだ。平安時代関東の国々を征服して「新皇」と宣言したが、わずか2か月ほどで朝廷軍に討たれなくなった。 その首は京都でさらし首になったが、怨霊が強く、大手町の将門塚の場所に飛んできた。それが今も残る首塚だ。何度も移転しようとしたがその都度作業員や責任者が亡くなったために、進駐軍でさえも怨霊を信じざるえなかった。今でもどんな大企業も手を付けない超パワースポットになっている。

鎧神社は将門の鎧が埋められたというのだから、パワーは感じられるようで、多くの人が訪れる。実はこの神社の神さまはヤマトタケルと大己貴命である。平将門は明治初期、天皇に反旗を翻した逆賊として祭神から外された。千年以上も前のことでも明治天皇は許さなかったのだ。しかし戦後天皇様の権威が薄れると再び祭神として祀られるようになったとさ! 境内は特徴的だ。拝殿前のものは巨大な花崗岩つくりで立派、昭和11年作。裏門の天保年間の狛犬はツギハギでかなり痛めつけられている。ここは明治の廃仏毀釈で大いに痛めつけられた。 鳥居脇の天神社には新宿区の文化財である庚申塔型狛犬?がある。これは享保年間のものだという。なんか変な狛犬だが、意味があったのだろう。不気味でかわいい。天神社というからやはり怨霊を鎮める神社なのだろう。

亀戸天神の梅・香取神宮狛犬

家から両国までシルバーパスでいきました。江戸東京博物館は水曜日はシルバーディで無料なので入館、じいさんばあさん外国人でした。そこからバスで錦糸町へ。ここもシルバーパス。交通費も入館料もかかりません。そこから歩いて亀戸天神に行き、今満開の梅を見ました。ここはお賽銭だけ。
年寄りをちょっと優遇しすぎだと思いながら、ちゃっかり便乗して梅見、境内は、我らと同じじいさんばあさんだらけ。

春日通りを亀戸方面に行くと黒い鳥居があり、参道が伸びている。ここは香取神社。本家の香取神宮は利根川下流の下総国一宮であり、経津主神が祭神である。この神さまは鹿島の神さまと一緒に出雲の大国主神を降参させて国譲りを成功させたとして建国の神とされているが、古事記には出てこない。しかし建国の神ということから武将の信仰が厚く現在も「神宮」として君臨している。亀戸の香取神社との関係はよくわからない。今はスポーツの神として有名で、拝殿には「池江璃花子選手の回復を願う」という寄せ書きがあった。

 狛犬愛好家としては気になることがあった。鳥居の脇に上のような狛犬が打ち捨てられていた。一対ではなく同じものを前後ろからとったもの。頭の部分が割れているのだ。これは自然に壊れたものか、あるいは人工的に壊されたものか。古い神社に行ってみると結構壊されたらしい狛犬が捨てられているのが見つかる。私は明治の廃仏毀釈の余波ではないかと思っているのだが。割れ口はそんなに古くない。ともかく狛犬を壊す輩がいるのだ。チコちゃんに怒られるぞ!

交通費がかからなかったので、お昼を両国の門前茶屋で豪華に食べた。深川めしと穴子蒸籠だ。深川めしは富岡八幡宮の境内にある「深川宿」が人気だった。富岡八幡宮の不祥事によって参拝客は激減したそうだが、深川宿はどうなったのだろうか。