四万十楽舎

◆29日、1時までに中村に着かなければならないので、始発で大正駅までJRで行く。そこから四万十川沿いを走る。まだ寒いが、大正の先の昭和駅をめざして走る。桜が咲き始めた川辺の道は走る車も少なく快適。十川橋で車をひろって江川崎まで。そこから今晩の宿である四万十楽舎まで走る。目的地まではあと26kmあるのに、すでに11時、再びヒッチハイクで佐田まで乗せてもらい、さも全コース走ってきたかのような顔をして四万十川にかかる赤鉄橋の下の会場に到着した。8時頃までイベントは続き、車で宿舎まで送ってもらう。楽舎は廃校になった小学校を宿泊所に改造したもので、私は校長室に泊めてもらう。

◆明け方の5時まで飲んで騒いでいた賀曽利くんは6時きっかりにバイクで四万十川を取り囲む峠越えに出ていった。私は8時まで寝て、9時に昨日キセルした27キロを走って行くことにした。昨日よりも道は整備されていないので、走るのには快適。30分前に出発した神奈川の古山さんにはなかなか追いつけない。川にかかる沈下橋の写真を撮りながら進む。ちょっと広い段丘上には満開の桜と菜の花のジュウタン、気分は最高。フォレストガンプのおっさんのようにどこまでも走れそうな気分になる。川登集落でやっと古山さんに追いつく。彼は荷物を背負って歩いているんだが、私が走っているのとそれほど違わない速さだった。
 3時間で27kmを走って会場に着く。午後は江本、賀曽利の両氏とバトルをする。4時に終了すると東京、関西に帰る人たちは大急ぎで中村駅へ。フリーターの私は、別に急ぐこともないので、中村の町を見物し、夕方は山田くんの実家でごちそうになり、再び四万十楽舎にもどる。夜はまだ四国の峠越えを続ける賀曽利君、古山さんと泊まる。翌日6時きっかり、バイクの音が大きくなり出発していった。

◆私は江川崎まで車で送ってもらい、JRの始発で宇和島にでる。ここから松山まで走ろうと思っていたが、雨の気配という言い訳を考えて、そのまま列車の旅になり、岡山からは新幹線に乗ってしまった。やっぱり軟弱な人間だ。「走ったゾー」とあんまり威張れたものではない。
当たり前のことだが東京は四月になっていた。これまで、新学期と考えるだけで緊張したものだが、もうその心地よい緊張感はない。今日からあこがれだった本格的フリーターだ!