狛犬 杉山神社の狛犬たち

延長5年(927年)に作られた延喜式神名帳に載せられた神社のことを『式内社』と呼ぶ。式内社は官立神社のことで全国で2861社あった。

 杉山神社は『式内社』である。しかし現在70数社が武蔵国の南西部にあるが、どれが本当の式内社かはわかっていない。その中でたぶんこの神社だろうという神社を『論社』という。杉山神社の『論社』は6社ある。

ということは式内社全部回ると言う賀曽利さんは2861社の何倍かの論社も回らなければならない。これはとてつもない数である。

 私は狛犬巡りをしているので論社かどうかはどうでもいいのだが、数多い杉山神社に興味を持ち、論社といわれる6つの杉山神社を巡ってみた。


横浜市都筑区 茅ケ崎 杉山神社

本日は都筑区を中心にめぐった。横浜地下鉄の「センター南」駅で降りて近くの茅ケ崎杉山神社に行ったがここには狛犬はいなかった。

勝田町 杉山神社

写真を撮っただけで早淵川を下り勝田町の杉山神社に上がって行った。 阿吽の江戸流れ狛犬がともに子供を抱いている。産めよ増やせよの時代に作られた狛犬は、たいてい両方とも子持ちだ。

 勝田杉山神社は高台にあるが、次の新吉田の杉山神社は高速道路の都築インターの向こう側の高台にある。下がって上がってくぐって越えてやっとたどり着いた。ここはかなりの山の中。近くにお店も自動販売機もない。

 狛犬は昭和の岡崎型で、おそらくどこかの工場で大量生産されたものだろう。一説には中国で加工して持ってきたという。あまりありがたみはない。


新吉田 杉山神社

大熊町 杉山神社

 新吉田の杉山神社への上り下りですっかり疲れたので休みたがったが、店は何もない。高速道路をくぐって大きな道に出たとたんバスがやって来た。行先も見ずにのったら幸運なことに次の大熊町の近くを通る。スマホの地図を見て一番近そうなところで降りる。ラッキーだった。降りたところのコンビニで遅いお昼。

ここも高台にあり柿の実を見ながらやっと上る。ここも子だくさんの狛犬。背景が明るくていい写真が撮れないので背後から撮った。

新羽(にっぱ) 杉山神社

 本日の論社めぐりは終了と思ってバス停に行くと「杉山神社」の幟がはためいていた。そこここに杉山神社があるのだ。こちらは論社ではないが立派な神社。弱った足には応える登りだったが、おいい狛犬がいたので満足!

新羽の杉山神社からすぐのところに地下鉄ブルーラインの新羽(にっぱ)駅がある。新横浜で東急の新線に乗り換え一気に池袋へ。

狛犬24-11 豊岡 気多神社の狛犬

円山川の堤防から見下ろした。神様失礼します。

 この辺り、昔は但馬の国で近くに国府、国分寺、国分尼寺があった。とすれば当然「総社」があってもいいはずなのだが、現在それにあたる遺跡などは見つかっていない。おそらくこの気多神社が総社だったと私は思っている。

この神社の社殿の彫刻はすばらしい。地元に移住した森さんに聞いたら、中井権次という作家によるものだという。この集団は但馬の多くの神社の彫刻をしていることで有名という。右の木鼻の彫刻もすばらしい。

拝殿前の露地にきちんとお座りしている。

竹野 宇日神社の狛犬

 城崎温泉よりも先の海岸部に竹野の集落がある。ここにも立派な神社がある。宇日神社とは珍しい名前である。参道には新しい狛犬が2対あり丘の上の拝殿前には古い狛犬が一対いる。

長屋門のような門を入ると拝殿がある。右下は隣の丘の上から見た竹野の海岸。トンボロ地形である。

拝殿の彫刻は前出の気多神社と同じで中井権次の作品である。残念ながら古い狛犬の製作者の名前はわからなかった。

竹野 鷹野神社 

 豊岡の観光ガイドを見ていたら宇日神社のすぐそばに式内社の鷹野神社があることが分かった。前回行っていないので来年はぜひ行こうと思っている。ここも中井権次の彫刻が見事だそうだが、その写真はなかった。また宮司さんが祝詞を上げている写真には拝殿内に小さな狛犬がいる。それも見てこなければ。とりあえず観光ガイドと「たんぽぽろぐ」の写真を借りてありますが、近々入れ替えます。