六甲ケーブルカー

日本には22か所にケーブルカーがある。昔はもっとあったが、経営不振で廃止になったものも多い。現在残っているのは、条件がよく新たな観光資源としてよみがえったものだ。観光というのは水物で景気の波に左右される。この先どうなるかわからないが、とりあえず全部乗ってみようと計画を立てて、5月から初め、17ヵ所ぐらい乗ってみた。

高尾山や御岳山は私の山走り(いまはトレランという)の練習地だった。ケーブルを横目にいつも駆け上がっていた。高尾山の下りはケーブルよりもはやく、10分で下まで降りたこともある。高尾山には何十回行ったか分からならいがケーブルカーに乗ったことはなかった。しかし70歳を過ぎてつい一度乗ってみたら、病みつきになった。片道はあいかわらず歩くがその時によって上りか下りはケーブルを使う。

もっと早く使えばいろいろなことに気が付いたが、今からでもなかなか奥の深い乗り物だということを体感したい。運行の原理もおもしろいし、霊山とのかかわりも興味深い。とりあえず今年乗った分のレポートをここにに記しておきます。

の地図は六甲山地です。ここに六甲ケーブルと摩耶ケーブルがあります。新幹線は六甲山地の下を通るので見えないはずです。神戸の町は山がすぐそばまで迫っている細長い町です。
さらに新神戸の駅、ケーブル下の駅がある場所は山のすそですが、ほぼ直線状に市街地と山地の境目が続いています。「直線状の地形は断層!」とタモリさんが言っていますが、その通りでここが阪神淡路大地震を起こした震源の活断層です。

ケーブルカーは活断層の斜面を這い上っているのです。ロープウェーじゃ活断層を感じることはできません。じわじわと這い上ってこそ、大地の動きを知ることができるのです。

このケーブルは1932年昭和4年に作られたのですが、戦争中は不要不急線として休止になりましたが、1945年に再開。昔は山上からの景色を見るために外国人たちが多く上っていた。その象徴が六甲山ホテル。百万ドルの夜景ではなく1千万ドルの夜景だそうだ。昭和天皇もこのケーブルで上ったそうだ。