暗がり峠、芭蕉も越えた!

 奈良と大阪の間には生駒山系がある。近鉄線は生駒トンネルでぬけているが、昔は暗(くらがり)峠という不気味な名前の峠を越えるのが最短距離だった。今は石畳の道になっているそうだが、車がやっと通れるような細くて急な道だと書いてある。それでも一応は国道・・号線になっている。チャリで挑戦する人もいるが、どうしても降りて押すしかないそうだ。141124kuragari02141124kuragari01

 今月の4日に来る予定だったが、おばあさんの入院で急きょ引き返したので、今回はリベンジ。かの松尾芭蕉は9月8日伊賀上野をたち9日に奈良で一泊し翌日この峠を越えて大阪の住吉神社に行った。壱日の行程は34キロもあった。
「菊の香に くらがり登る 節句かな」 はせを
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わざわざ重陽の節句を選んで、この峠越えをしたのだ。まさに風流の極だな。しかし51歳の身体にはほとんど余力は残っていなかったようだ。翌10月12日次の句を残して亡くなった。
「旅に病んで 夢は枯野を かけ廻る」
 私はとても住吉神社まで行くことはできないので、暗がり峠を下って、河内一宮「牧岡(ひらおか)神社」(元春日)にお参りして、近鉄線で奈良に戻った。141124kuragari04141124hiraoka01