東上線の中板橋駅の踏切の脇に写真のようなお稲荷さんがある。「正一位 山中稲荷大明神 」とある。正一位というのは聖徳太子が作った冠位十二階が起源で、人物や神様の位を正一位から従一位、正二位とか順序をつけた。平安時代には藤原家というだけで、高い位についたが、その後は正一位というのはなかなかなれなかったし、正一位は亡くなった後に贈られる称号になったそうだ。豊臣秀吉は正一位だが織田信長は正二位だったので、大正時代になって初めて正一位になったというエピソードがある。現在では生きている人が正一位になることはない。
一方神様は時代が下がると段々出世するので最後にはみな正一位になる。普通の神社ではわざわざ正一位というのは野暮なので、しないそうだが、伏見稲荷だけは正一位伏見稲荷大社だそうだ。さらに分祀された稲荷神社もみな正一位と名乗ることにしている。それで、我が家の近くの山中稲荷も正一位ということだ。
それで話は終わりではなく、「山中」の意味である。大ではないがかなり都会的な我が板橋区で、なんで山中なの?
注意してみていると我が家の近くには「山中交番」「山中トンネル」(線路の下のガード)など「山中」がいくつもある。実はこれらは東上線の大山駅と中板橋駅のあいだにある。それで「山中」なのだそうだ。なんだそんな単純なこと・・・・でも地名の起源はけっこうそんなものがあるんだ。
ちなみに我が大山は大山街道沿いにある集落。板橋は板の橋があった(いまでもある)宿場から来たものだ。