一斉休校で日本人の知的財産が失われる!

若いころ私は試験の前になると「もうすぐ大災害が起こる、勉強などしても無駄だ!」と言きかせて怠けていた。しかし学生の頃はせいぜい停電ぐらいで試験や授業が無くなることはなかった。もし授業が突然なくなったら、私は今よりさらに教養が低くなっていたろう。授業時間は半分寝ていたが、毎日先生の話を聞かされていれば少しは頭に残っている。私の知力は他の人の半分だがその時の産物である。

卒業を間近にした子どもたちは「休みになっちゃった」と不安そうに言う。この多感な年齢の子どもたちの心はとても複雑に見える。「非常事態だから国民団結して我慢しよう!」などとジイサンたちは言う。しかしこの子どもたちの貴重な授業時間を奪うほどの非常事態なのか。政府は学校教育を軽んじていないだろうか。私たちは未来を担う若者たちを育てる義務を負っている。高齢者に感染すると大変だから若者は我慢しろというのはまったくの間違いだ。

子どもたちは感染しても死亡率はごくごく軽い。死亡するのは50歳以上の高齢者だ。単純に言えば50歳以上の人は満員電車など混雑する場に行かない。これだけで学校全部を休校にするよりもはるかに感染予防になる。その根拠は何かと言われそうだ。それは年代別死亡率を見ればすぐわかる。政府が示したグラフ風のイラストを根拠にした学校休校要請よりも遥かに根拠はありそうだ。ただしどちらも検証されていないので科学的ではない。

「わずか2週間の休校だろう!」というが1000万人以上の小中高の生徒への知力提供の場が失われているのだ。どれだけの知力の損失になるか? 若者から知力と青春の時間が失われた。これを金額には換算することはできないが、大変な財産が失われたことは確かだ。これだけの財産と引き換えに全校休校をするする意味があるのだろうか。政府は、と書いたが安倍総理があやふやな根拠で一人で決断したらしい。もし他の閣僚や専門家に諮問していたら、もっと他の選択があったろう。

安倍総理が全国一斉休校を要請した根拠は、下のグラフ風イラストである。現在は二つのグラフの入り口にあたるので緊急を要したという。グラフの一番大事な数値が全く入っていない。ただのイメージなのに今は急上昇の時期だという。休校にすると感染のピークがなだらかに先延ばしになるというが、何の根拠もない。こんなイメージで皆さんが納得するはずはない。しかし実質的にはすでに非常事態に突入している。

ある人は「いまは戦時中と同じだ!みんな政府のもとに一致団結すべきだ」と言っている。戦争をすでに始めちゃったのか? まもなく「政府の言うことを聞かない人は非国民!」とする法律が発動されそうだ。戦争を始めるのは簡単だが収束させるのは大変である。後始末はいったいどうなるのか。
ともかく全国一斉休校によって大容量の知的財産が失われ学力低下が起こっていることは確かだ。これを回復させることはかなり大変なことだ。・・・

「授業よりも大事なことがある。体力と耐力をつけよ!そうすれば知力もおのずからついてくる!」といい続けてきた私が偉そうに言うことでもないか! でも「非常時だからしょうがない」と子どもたちにあきらめ感を持たせたくない。北極探検家の荻田くんは早速冒険塾を開放して大勢の子どもたちを預かっている。FBにぐだぐだと文句を並べていないで荻田君を見習いたいが、私はすでに後期高齢者。余計なことをすると「うつったらどうするんだ!」怒られる。テレビの羽鳥慎一モーニングショーを見ながらぶつぶつ言うしかないか。