狛犬行脚-11 威張っている狛犬

そっくり返っているような威張り狛犬!  靖国神社の車の入り口の巨大な狛犬は左右とも正面を向いている。そっくり返って、そのまま台座から転がり落ちそう。なんでこんなに威張っているのかだろうか!この狛犬は東大寺の山門の中にある威張っている狛犬である。日本で一番古い狛犬(1196年鎌倉時代)と言われているが両方の狛犬の口が開いている。実は日本製ではなく中国製で宋の時代にもので獅子だろう。この狛犬も両方とも口を開いている。奉納されたのは1944年と言うがおそらく東大寺の獅子を模倣したものだろう。両方が明らかに獅子のものは狛犬ではなく「獅子吼」という。 羽咋市の気多大社の狛犬、これもかなり威張った感じがする。気多大社も北陸では最も大きな神社の一つだ。  この狛犬もすっくと立っており立派だ。浅草の鳥越神社。三社祭が行われることで有名な神社だ。1932年に建てられた。石工の名前は八柳五兵衛とある。 寒川神社は相模の一宮でここも有力な神社だ。新しい狛犬だが胸板が厚く威張り狛犬の感じだ。左の頭の上に角があり狛犬である。   玉前神社は上総一宮で房総では最も格式がある神社である。この狛犬も胸板が厚くちょっとそっくり返っている。この狛犬は赤と黒の輸入御影石で作られている。普通の狛犬よりもはるかに高価な岩石だ。櫛田神社は博多の総鎮守で祇園山笠で賑わう有名な神社だ。 これは香取神宮の木造狛犬。神門の中に置かれている。香取神宮も下総の一宮で東国三社の一つである。

私が勝手に「威張り狛犬」と呼んでいる。狛犬愛好家の間では招魂社系の狛犬と言われているようだ。いずれも大きな神社、寺にいる狛犬はかなり威張っている。やはり背後組織が大きいと狛犬も威張る傾向にあるようだ。