福島第一原発の事故後の処理に時間がかかっている。原子炉の中に溶け落ちた核燃料が溜まっている。これを取り出すことは現在の技術では無理なので、何十年もの間現状維持をしなければならない。その間、現地で冷やし続けなければならない。まだまだ技術は確立できず、保管場所を作ることもできないから、チェルノブイリ原発と同じようにコンクリートの石棺で覆うしかないだろう。
政府は福島原発の廃炉処理費用の見積もりを変更して21兆円と試算した。国家予算の1/5の費用がかかるなんて、とんでもないことだ。東京電力では負担できるものではない。ということは税金を使うことになるが、ひとりあたりでは21万円。すごい金額と思うが、実はこんなものではない。オリンピックではないが、政府の発表は控えめな数字で実際に始めたらもっと多くなる。
原発反対というと、偏った思想を持った人のように言われるが、科学的、経済的に見たら絶対にペイする発電ではない。政治家たちは、原発を稼働させたときにできるプルトニウムが欲しいので、経済的には合わなくても稼働させようとしている。もちろんプルトニウムは北朝鮮が必死に求めている核兵器の材料だ。
原発の発電料金は最も安いことになっているが、核廃棄物の処理費用は入っていない。さらに廃炉費用も入っていない。さらに除染費用等考えていない。チェルノブイリでは除染などという無駄はやっていないので、廃炉処理費用は少ない。日本はこれがかなりの費用になる。除染というのは放射性物質を移動させているだけで、減らしているわけではない。
もしもう一度原発が爆発したらもう日本国は完全に破綻する。除染費用も廃炉の費用も出なくなるから、放射能たれながしのまま生活するしかなくなる。もう少しまともに議論し、全原子炉廃炉にしなければ日本だけではなく世界中が破滅する。よくもまあ外国に原発を輸出しようなんて考えるものだ。ベトナムは日本の原発導入を破棄することにしたようだ。当たり前の考えだろう。