遠江一宮 小國神社

遠州一宮は2箇所ある。事任八幡宮とこの神社である。ここは出雲系の大国主を祀る神社で、現在ではこちらの一宮の方がはるかに大きく格式もありそうだ。掛川から天浜線(天竜浜名湖鉄道)に乗って遠州森の石松の出身地に行く。日曜祭日には神社からのバスが来るが本日は平日なので遠州一宮駅から歩くしかない。a01cimg0131案内にはから45分と書いてあったが、1時間歩いてやっと700m地点の茶屋に出る。こんにゃく味噌のお接待を受け、元気を回復して歩き出す。大きな鳥居の奥には立派な神域があった。大国主さんと白うさぎのお話が書いてあったが、今の人たちは知っているのかな? a07cimg0175a07cimg0157出雲系だけあって社殿は出雲大社とおなじ様な作りだ。すっくと立った千木は立派。鰹木は3本a05cimg0189 行きだけで結構疲れたが、帰りも歩くしかない。誰か載せてくれないかと思ったが、運転している人はほとんど高齢者。今の時代、高齢者の車には乗りたくないな! 高速道路の下であと2キロ、車が停って「私は神社のものですが乗りませんか?」と言ってくれた。すぐに乗り込んで駅まで送ってもらった。
「今時の人は、乗りませんか?と言っても怪しんで乗ってくれないんですよ」とのこと。そういう時代なのかな!我らは古い時代の人なので、ありがたくお接待に預かる。天浜線で浜松まで行き、名物のうなぎを食する。a06cimg0220

遠州一宮 事任八幡宮

161219kotono1 先日最後の紅葉かと書いたが、ここ遠州は暖かい土地なのでまだまだ紅葉は真っ盛りだった。10月に小夜の中山を越えた時に、途中でバスに乗りこの神社の前を通り過ぎただけだった。かなり気になっていたので本日また掛川にやってきてバスで事任八幡宮(ことのまま)に向かった。ここは遠州の一宮である。161219kotono2

小夜の中山という峠は箱根、鈴鹿とならぶ東海道三大難所といわれる。京都からくるといよいよ難所の峠に向かうということで覚悟を決めなければならない日坂の宿場だ。その宿場の入り口にあるのがこの神社だ。ことのままというのは、ことだまという説もある。奥宮は「言霊の杜」にある。しかし一般には事が思った通りに行くという意味にとられるようになったらしい。cimg0067平安時代には清少納言の「枕草子」や多くの和歌、鎌倉時代には吾妻鏡、江戸時代には十返舎一九の「東海道中膝栗毛」などに「願い事が叶う神社」として登場している。
源光行の海道記
「事のままと申社に参詣す杉の村立は三輪にあらすも尋ねても参らん、思ふことままにかなへば杉立る神のちかひのしるしとそ見む」
阿佛尼の十六夜日記
「二十.途四日小夜の中山を越ゆ己登乃麻知とかやいふ社のほど道いと面白し」
鴨長明
「またもみむ吾ねき言のままならばしばし散すな木々の紅葉」a001cimg0062

御祭神は「己等乃麻知比売命」後に八幡さんとなってこの3柱が祭神になった。もともとはヒメの宮だ。

バスが2,3時間に一本という場所なので、40分しか時間は取れなかったが、奥宮まで上り紅葉を堪能した。気分良し。