ちょうど朝7時のニュースに合わせて、真珠湾のアリゾナ記念館行われている安倍首相のさんのスピーチが流れた。どの局もすべて安倍さんの話を放映していた。それが終わってオバマさんの番になるとNHKをのぞいてすべて通常放送に戻った。今回の訪問は前回広島の原爆ドームにオバマ大統領が来てくれた返礼だろう。その時のオバマ大統領のスピーチはすばらしかった。安倍首相もこんかい負けないようなスピーチがしたかったのだろう。私もしっかり聞いていたがなかなか立派だった。
その一節を抜き出しておこう。
……私がここパールハーバーで、オバマ大統領とともに世界の人々に対して訴えたいもの。それは、この「和解の力」です。戦争の惨禍は、いまだに世界から消えない。憎悪が憎悪を招く連鎖は無くなろうとしない。寛容の心、和解の力を、世界はいま、いまこそ必要としています。……
でもやはり一言言いたい。これと同じことを、沖縄県にも言ってほしい。オスプレイが落ちたばかりの海岸でアメリカ軍のための基地が新たに作られている。沖縄の人たちは何で戦後70年間、自分たちばかりがひどい目にあうのかと思いながら、半ばあきらめに似たため息をついている。安倍さんはアメリカの老兵の前でひざまずいて謝罪をしていた。
なんでアメリカ人にはできて、自分の国の人たちにはできないのか。それどころか沖縄の人の心を平気で踏みにじっている。自国の人を大事にしないで外の人にぺこぺこしている姿を見れば、やはり日本は植民地なのかと情けなくなる。真珠湾に続いて辺野古の海を見て、同じ言葉を言ってほしい。
……耳を澄ますと、寄せては返す、波の音が聞こえてきます。降り注ぐ陽の、やわらかな光に照らされた、青い静かな入り江。私のうしろ、海の上の、白い、アリゾナ・メモリアル。あの慰霊の場を、オバマ大統領とともに訪れました。そこは、私に沈黙をうながす場所でした。亡くなった軍人たちの名が記されています。・・・中略・・・・戦争の惨禍は、二度と、繰り返してはならない。私たちは、そう誓いました。そして戦後、自由で民主的な国を創り上げ、法の支配を重んじ、ひたすら、不戦の誓いを貫いてまいりました。戦後70年間に及ぶ平和国家としての歩みに、私たち日本人は、静かな誇りを感じながら、この不動の方針を、これからも貫いてまいります。
平和国家としての不動の方針を貫くというのは、どうしても言葉だけにしか思えないのだが、誠で示してくれないかという印象でした。政治家は言葉が命だが、実のこもっていない言葉は空疎に聞こえるだけだ。今回の安倍首相の行動は立派だったが、私はどうしても全面的な支持には至らなかった。