■ 本当のあとがき!

 2016年7月、世界の首脳が集まってG7伊勢志摩サミットが志摩のホテルで開かれた。日本の首相は各国の首脳に風光明媚な志摩の国を紹介した。
その際、志摩市は志摩の真珠とともに『志摩という国』というアーティストブックを首脳に贈った。伊勢和紙を使い、桐の箱に入った志摩を紹介する豪華本だ。

本の内容は宮本常一の「志摩という国」という文章と大伴家持の和歌、そしてなんとなんと、私が書いた「海が作った風景」という文章が載せられている。

40数年前に志摩の博物館の案内所に書いた文章を再録したものだ。すばらしい写真と英訳もつけられている。我が家にも残っていない文章が、再び日の目を見るとは思ってもみなかった。
オバマ米大統領、メルケル独首相、英首相ら世界の首脳に届いたかもしれない。

2016年10月、倭姫命を追う旅は伊勢の斎宮ではなく、さらに進んで志摩の国崎が終着駅であることを確認した。そして御食津国の豊かな実りをアーティストブックの創作者の竹内千鶴さんの案内で堪能した。
2013年、伊勢遷宮をきっかけに始めた「三輪の神紀行」はとりあえず決着をしたが、まだまだ見残したことがあり、考え不足が多々ある。
さらに各地を旅しなければならない。

「若い時に旅をいたさねば 老いての物語がない!」

かなり年をとったが、まだまだ旅をせねばならない。今回分はとりあえず終了。

新しい発見、考えが見つかれば、また物語を作るつもりだ。